97話 ページ48
-阿部side-
阿｢ん…っ……眩し…｣
看｢あら、おはよう。亮平くん。｣
阿｢あ、おはようございます…｣
朝。
カーテンが開かれる微かな音で目を覚ますと、丁度来てた看護師さんがこちらに笑いかけてくれる。
けど、次の瞬間には辰哉の脇の下から体温計を抜いて、何やら難しい顔。
だから熱が出ちゃったのかと心配したら、どうやら逆に体温が低過ぎるみたい。
35.2℃で、血圧もかなり低い。
少し復温が必要かなって零しながら様子を見て、看護師さんは病室を出ていった。
俺も寝ぼけ眼のまま辰哉の顔色を覗き込むものの、相変わらず意識が戻る気配は無くて…
唯一変わった事と言えば、腕に点滴が繋がれてることくらい。
阿｢はぁ…｣
昨日と同じ"不安"っていう重たい荷物が肩から背中にかけてｽﾞｯｼﾘとのしかかって、思わず溜め息を吐く中…
不意に電話が掛かってきて、音が出ない代わりにリズミカルにバイブする。
正直、今は誰かと話せる様な精神状態じゃないんだけど、画面に表示された名前を見れば、そんな事も吹っ飛ぶ。
頭で考える前に、無意識に応答をタップしてた。
佐《もしもしー、阿部ちゃん？もう集合時間過ぎてるよ？大丈夫？》
阿｢っ、佐久間っ…｣
佐《え、ちょっ…もしかして泣いてる？》
佐久間の声を聞いた途端、泣いちゃ駄目だって我慢した筈の涙が溢れる。
でも、辰哉の事を打ち明けられる訳ではなくて、何も言えずに嗚咽する事しか出来ない俺。
佐久間を困らせてる。
これから雑誌の取材なのに。
というか、俺と辰哉も本来はそこに居たんだけど。
いつまで経っても現場に現れない俺らを心配して、電話してくれたんだろうな。
ほら、俺らが佐久間より遅い事なんて、まず有り得ないから。
佐《阿部ちゃん、何があったの？実はね、ふっかも来てなくて…》
阿｢ごめん…ｸﾞｽｯ……今は、言えないっ……マネージャーには自分で説明するからっ……じゃあね…｣
佐《いや、待ってよっ…阿部ちゃん！》
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苺みるくラテ(プロフ) - 更新楽しみにしてます！ (12月18日 1時) (
レス) id: 00ab994726 (このIDを非表示/違反報告)
まや - このお話見ていてとても胸がキュッとなってすごくいい作品だと思いました、！！続きがとても気になるので、ゆっくりでも更新待ってます、！！ (2023年4月6日 2時) (レス) @page41 id: 3b11924b07 (このIDを非表示/違反報告)
餡子(プロフ) - とても面白いです！続きが気になります！これからも無理せず頑張ってください！ (2022年8月9日 21時) (レス) @page41 id: e06a8e0f67 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：和音
| 作成日時：2022年4月23日 19時
