94話 ページ45
-深澤side-
女《お二人の事、ご愁傷様。》
深｢何で、お前がそれをっ…！｣
一体、どこで知り得た？
そう咄嗟的に問い詰めたものの、のらりくらりと論点をすり替えられて、上手くいかない。
結局、"それじゃあ、また会いましょう"って台詞を残して通話を切られて…
ただでさえ混乱してる頭の中を、更にごちゃ混ぜに掻き回された様な感覚だった。
どうして、母さんと柊平が亡くなった事を知ってるのか。
どうして、このタイミングで俺に接触してきたのか。
意図の掴み切れない電話に理解が追い付かないまま、俺は通話終了の文字が表示されたスマホ画面を見つめて、暫くの間その場に佇んでた。
深｢ふぅ…｣
何もしてなくても、鮮明に思い出す。
さっき霊安室で見た事を。
大切な人が冷たい台に横たわる、あの光景を。
顔を上げれば、小刻みに震える亮平の背中も視界に入って、ｷﾞｭｯとスマホを握る手に力を込める。
耳鳴りがする程の静けさの中、遠くで聞こえる外来窓口の呼び出し音。
一歩一歩近づく度に大きくなる、片割れの嗚咽。
今を今だと知覚させる為に揃った条件全てに、漸く現実味を帯びてきて…
瞳から零れた大粒のダイヤモンドが、はらりと落ちて転がった。
深｢っ…｣
誰かに見られるかもしれない。
見られたくないし、知られたくない。
でも、己の意思に関わらず何粒も何粒も床に散乱するその
それは綺麗で眩しくて、とてつもなく憎かった。
拾わなきゃ。
片付けなきゃ。
このままじゃ、ここを通る人に気味悪がられる。
そう思うのに、身体が言うことを聞かない。
そして、止められないその"涙"の輝きが増す事に比例して、どんどん俺の生気を奪っていって…
いつしか迎えた、限界の時。
酸素を求めて小さく噎せ込む様な声を残し…
ﾊﾞﾀﾝｯと大きな音を立てて、煌きだらけの床へと倒れ込んだ。
深｢っ…りょ、へ……ごめ…｣
阿｢…辰哉ｯ！！｣
口をついて出た謝罪の言葉と共に、意識が途切れる寸前。
大慌てで俺の元に駆け寄る顔面蒼白な亮平の姿が、ぼやける視界の端に見えたっけな。
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苺みるくラテ(プロフ) - 更新楽しみにしてます！ (12月18日 1時) (
レス) id: 00ab994726 (このIDを非表示/違反報告)
まや - このお話見ていてとても胸がキュッとなってすごくいい作品だと思いました、！！続きがとても気になるので、ゆっくりでも更新待ってます、！！ (2023年4月6日 2時) (レス) @page41 id: 3b11924b07 (このIDを非表示/違反報告)
餡子(プロフ) - とても面白いです！続きが気になります！これからも無理せず頑張ってください！ (2022年8月9日 21時) (レス) @page41 id: e06a8e0f67 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：和音
| 作成日時：2022年4月23日 19時
