86話 ページ37
-深澤side-
本番前の時間が無い中大慌てで個室に駆け込んで、走った事で汗びっちょりになりながら便器の前にしゃがみ込む。
ドアを閉める事まで気が回らなくて開けっ放しだから、誰か来たらやばいけど正直余裕が無い。
深｢っ…ｺﾞﾎｯ…ぉぇｯ……ｹﾞﾎｯｹﾞﾎ…｣
ﾊﾞﾁｬﾊﾞﾁｬと質量のある物が落ちて、視覚的にも聴覚的にも嫌な気分。
でも、一回出しちゃえば一先ずは楽になってくれて、くたりと壁に背中を預けて深呼吸。
少し吐くのにも体力が必要なのか、物凄く体が怠い気がするけど…
それは気付かなかった事にして、"よっこらしょ"なんておじさんみたいな掛け声をしつつ、流しで口を濯いでからトイレを出た。
深｢ごめん、お待たせ…って、うわっ！｣
阿｢ふっか、ここ座って。｣
深｢はい…｣
スタジオに戻ると、あんな不審な飛び出し方をしたからか扉の目の前に立ってた亮平に捕獲されて、大人しくパイプ椅子に促されるまま座る。
椅子が一個しかないって事は、俺の為にわざわざ用意してもらったんだろうなって少しの罪悪感。
けど、立ち上がる事すら許してくれない亮平の威圧感に、素直に従うしかないらしい。
岩｢…ふっか、顔色最悪。｣
深｢俺は元々色白なの。｣
ラ｢それを言うなら、今は白じゃなくて青だよ。体だってこんなに冷たいし、さっき温めた意味ないじゃん。｣
宮｢それ、これから熱出るんじゃないの？｣
照に顔色を指摘されたと思ったら、ラウールがそれに冷静な援護射撃。
次の瞬間には舘さんの掌が額に触れて、熱なんてないのに早々に病人扱い。
そう言えば、いつもはうるさい奴らの声がしないなぁって不意に振り向けば、佐久間と康二が無駄に静かにしてて…
その後ろでは、めめと翔太がコソコソ話してるのが見える。
と、まぁ…全く気にしない事にってのも無理な話ではあるんだけど、今日は一生に一度の日だから。
折角のデビュー日に体調悪い奴がいるとか激萎えじゃん。
純粋に喜べなくなっちゃうでしょ。
だから、大丈夫じゃなくても大丈夫って8人に伝えて、自分の不調にも見て見ぬふりをして…
間も無くの始まる生放送の本番含め、沢山の大きな仕事をこなしていった。
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苺みるくラテ(プロフ) - 更新楽しみにしてます！ (12月18日 1時) (
レス) id: 00ab994726 (このIDを非表示/違反報告)
まや - このお話見ていてとても胸がキュッとなってすごくいい作品だと思いました、！！続きがとても気になるので、ゆっくりでも更新待ってます、！！ (2023年4月6日 2時) (レス) @page41 id: 3b11924b07 (このIDを非表示/違反報告)
餡子(プロフ) - とても面白いです！続きが気になります！これからも無理せず頑張ってください！ (2022年8月9日 21時) (レス) @page41 id: e06a8e0f67 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：和音
| 作成日時：2022年4月23日 19時
