小さなセカイの中で。-change the world-【jw×ars】 (ページ39)

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story＊037 ページ39

大｢仲間を逃がしたつもりですか、へぇ…一人で十分だと。舐められたもんだなぁ…ねぇ、相葉ちゃん。

…相葉ちゃん？…あれ、どーしたの。｣

相｢ごめんリーダー！さっき中間所長の電気モロに受けちゃって…視界がぼやけてよく見えないの！

…リーダーは氷の壁でブロックしてたみたいだけどさぁ……とにかく、少しの間一人で頑張って！｣

大｢えぇー…｣

中｢これで一対一やな、大野。｣

能力を使った事で右側の頬に流れた血涙を思いっきり拭って、大野と対面になるように立った。

…別に勝つ必要は無いんや。

ただ、死なん事と時間を稼ぐ事だけを考えて……俺は又、放電した。

中｢ｯ…｣(ﾊﾞﾁﾊﾞﾁｨｯ!)

大｢同じ事しか出来ないんでしょ…っ…それなら…俺が勝ちを貰うからっ…！！｣

中｢ｯ、何っ…！？｣

大野の右手から何かが生み出され、こっちに凄いスピードで向かってきてるのが分かる。

…あれは…氷…？

…いや、氷柱や。鋭く尖った、刃物のような氷柱。

まさか、照史の顔の傷もこれが原因なんじゃ……なんて色々考えてるうちに、ソレは俺の胸元に着弾してた。

中｢ｯ！ぅｯ……ふぅ………この感覚も久し振りや…｣

大｢…っは……今、絶対心臓に命中した筈…っ…｣

中｢命中したで、バッチリ。…再生してもうたけどな。｣

大｢ｯ…はぁっ！？｣

一瞬、ｽﾞｷﾝｯと身を突きぬけた痛みを感じた胸を押さえ…痛みがなくなったのを見計らって手を離してその手についた血を見せれば、大野はまるで気持ちの悪い光景を見たように顔を顰めた。

…まぁ、人の体が瞬時に再生するなんて、実際ちょっと気持ち悪いねんけど。

大｢さ…再生能力…｣

相｢再生能力なんか持ってたら、俺ら勝ち目ないじゃん！どーしよ、リーダー！｣

大｢仕方ない…覚醒薬の特性上、発動するのは一箇所だけな筈。

心臓が再生したって事は、上半身…腕はどうか分からないけど、今確実にダメージを与えられそうなのは……あの長ーい脚。｣

相｢了解っ！さっすがリーダー！｣

…長くは持たへんって分かってはいたけど、こんなに早くバレるとは思うてへんかった。

2人も能力覚醒薬の事詳しく知ってるみたいやし、仕方ないっちゃ仕方ない。

…こっからどーしよかな…って、また襲ってくる相葉をいつでも放電出来るように見つめながら考えてたら…

後ろから、待ち続けてた照史の声が聞こえた。