小さなセカイの中で。-change the world-【jw×ars】 (ページ27)

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story＊025 ページ27

山｢その人達を助ければ、皇帝陛下のお怒りを買いますよ。…宜しいのですか、桐山様。｣

桐｢ｯ…｣

知｢ﾗｲｾﾝｽﾊﾞｯｼﾞを持たない者をｹﾞｰﾄ内に入れるという事は、ｶｰｽﾄ…つまり法を無視し、皇帝陛下を軽んじるという事。

…それが何を意味するか、お分かりになりますね？｣

桐｢…っ…ｸｯｿ…｣

…もはや、これは脅しや。

でも…ここで無茶してこの人らに…いや、法に逆らえば、WEST王国の人間と言えども”あの皇帝”は容赦せえへんやろ。

せやから…照史も食い下がるしかなくて、悔しそうに俯く。

…でも、俺は諦めたくなくて…山田さんと知念さんの後ろをまた歩き始めて直ぐに、立ち止まった。

中｢ごめん照史、文ちゃん、松野。…先行って2人の注意引き付けといて。｣

桐｢えっ…？ちょっ、淳太くんっ…？｣

松野｢所長様っ！｣

皆から離れ、俺は…さっきの青年達の元へ戻った。

…俺には、ある考えがあったから。

中｢なぁ君たち！名前はっ？｣

？｢え？…あ、宏太…です……この子は弟の大貴。｣

？？｢僕は慧っていいます。…お兄さんは、西から来た人…ですか…？｣

中｢おん、せやで。中間淳太ってゆーねん。…まぁ、俺の事はええよ。

その子、大貴くん…病気なんやろっ…？｣

宏太くんの背中でｸﾞｯﾀﾘとして、固く目を閉じた小さな男の子。

明らかに緊急事態やのにｹﾞｰﾄを通さんかったあの2人に、ふつふつと怒りが込み上げてくるけど…

今は首を振って怒りを頭の隅の方に追いやって、なるべく笑顔で口を開いた。

中｢俺がｹﾞｰﾄの向こうから医者連れて来たるから。｣

宏｢えっ、ほ、本当ですかっ！？ありがとうございますっ！！でも…どうして僕たちなんかを助けてくれるんですか？

…僕らｶｰｽﾄ最下層の人間ですし、何のお礼も出来ないのに…｣

中｢お礼なんてええの。俺はただ、大貴くんの命を救いたいんや。

…ほな夕方頃になってまうと思うけど、またここで会うってことでええ…？｣

宏｢っはいっ！本当にありがとうございます！｣

”じゃあ、後でな”って手を振って…必死に親衛隊の2人の注意を引き付けながらこっちを気にしてた3人の元へ走った。

…取り敢えず約束はしたけど、先に皇帝への謁見を済ませなあかんから、それまで大貴くんの体調がもつかどうかが心配や。

山｢…中間様、行きますよ。｣

中｢あっ、はい。｣