小さなセカイの中で。-change the world-【jw×ars】 (ページ22)

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story＊020 ページ22

陽｢ん～…漢字読めへん……ねぇ、ともっ、これ何て読むん？｣

重｢陽葵様っ、どうしてそういう時に私を頼って下さらないのですかっ！｣

神｢ハイ邪魔ー、そこどいてー。

…えーっと、これは【私と結婚して下さい】と書いてありm……って、えぇっ！？何これぇっ！？｣

重｢えっ、ちょっ、神ちゃんっ！それ見してっ！｣

神ちゃんの手から半ば奪い取るようにして、俺も手紙の内容を確認してみると…

【陽葵王女殿下、どうかこの私と結婚して下さい。返事はいつまでもお待ち申し上げております。】

なんて内容が書かれとって…ビックリし過ぎて叫びもせず声も出さんと、ただ大きく目を見開いた。

陽｢えぇーっ、ひま…まだ7歳やけど……結婚しなきゃいけないん？｣

神｢いいえっ！これはきっと…冗談ですよっ！誰かのイタズラですっ！

…なので、どうか…お、お気になさらず！｣

重｢そっ、そうです！…今日はほら、物凄くええお天気ですし…お散歩にでも行きましょう！

こんな手紙の事など気にせずにっ！ねっ？｣

陽｢うーん……そうねっ！動きやすいドレスに替えてから、中庭に行こっ！｣

重｢はいっ！｣

…今きっと、俺も神ちゃんも同じ気持ちやろう。

ホンマに…”危なかったぁーっ！陽葵様が変な男に興味持ってまう所やったぁぁーっ！”…って。

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＊中間side＊(翌日)

中｢よし、準備OK…｣

今日はEAST帝国に行くから、朝から心臓がﾊﾞｸﾊﾞｸうるさい。

東に行くなんて一生無いと思うてたし…

でも、王様からのご命令で視察に行く…つまり、仕事や。ちゃんとせな。

…ビビってる場合とちゃう。

中｢…ふぅ……行こ。｣

いつも研究所に着ていってるスーツより少しだけ上等な服装に、いつもと同じ愛用のリュックを背負って…

緊張しながら、照史の待ってるアパートの外に出た。

桐｢…おっ、来た。｣

中｢待たせてごめんな、松野ももう居る？｣

桐｢おん、浜中と一緒に車で待ってるで。

あー…でも、”私も所長様をお迎えに行きます！”とか言うてたけど、疲れてるみたいで寝てもうたわ。｣

中｢んー…19歳に無理させすぎたかな。そのまま寝かしといたって。｣

桐｢ん、了解。…ほな、行こか。｣

照史の愛車のベンツの助手席に乗り込んで…

EASTへの船便が唯一ある風地区に向かって出発する車の窓の外…流れる景色を、緊張を抑え込む様に見つめた。