小さなセカイの中で。-change the world-【jw×ars】 (ページ20)

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story＊018 ページ20

＊重岡side＊

どーも。照史と淳太にフルシカトされて傷付いた、ニコニコ天使ちゃんこと重岡です。

…いや、酷ない？友達がﾆｺﾆｺ手ぇ振ってるのにガン無視て。

｢あのっ、重岡様っ……重岡様っ！｣

重｢何やねん、どうしたん？｣

｢あっ、すみませんっ…何度も声を掛けたのですが……あっ、それでっ…これを…｣

重｢ん？…手紙？｣

王女様付きのメイドの一人が差し出してきた、一通の封筒。

それを受け取って開けようとすると、ﾊﾞｯとその手を制されて危うく落としそうになった。

重｢何、開けたらあかんの？｣

｢王女様宛のお手紙です。ハートのシールも貼ってありますし、恐らくはラブレターかと…｣

重｢ラブレタぁーっ！？嘘ぉっ！！｣

驚き過ぎてめちゃめちゃデカい声が出て、ヤバって思って口を塞いだけど…時既に遅し。

フロアに居る使用人が全員こっちを向いて、後ろからはｷﾞｨｨｯと扉の開く音が聞こえた。

…あかん、怒られるっ……おかんに怒られるっ…！

神｢誰がおかんや。…はぁ…今、王女様は宮廷教師とお勉強中やって言うたよな。煩くされると嫌やからってお部屋から追い出されたの忘れたん？｣

重｢い、いやっ…忘れてへんよっ……ただ、これが…｣

神｢ん？何それ、手紙？…”WEST王国王室、陽葵王女殿下宛”って…陽葵様に？

差出人は”Jun Ninomiya”…うーん…聞いた事無い名前やなぁ……んで、しげは何でこれ見て大声出してたん。｣

重｢ここ、ハートのシールで封されてるやろ？きっとラブレターやって！｣

俺がちょい興奮しつつ、神ちゃんに渡した手紙の裏面を指差して言うたけど…

神ちゃんは真顔のまんま【いや、ジュンって名前女子にもいるやろ、ハートのシールだけじゃ判断出来ひん。】って…冷静かよぉ…

…俺、あんなに叫んでもうたの恥ずかしいわ。

重｢なぁ、中見てみいひんっ？気になるやん！｣

神｢はぁ…何考えてんの、駄目に決まってるやろ。

…これは俺から王女様にお渡ししとくから、しげはそこで大人しくしてて。｣

重｢えっ、待って俺も入れてっ！寂しくて死んでまうねんて！｣

神｢しげはダメ。陽葵様にまた怒られるで。…んじゃ、俺は戻るから。｣

ほななーっとか言うて、王女様のお部屋の扉に手を掛けようとした神ちゃん。

でも、タイミングが良かったのか悪かったのか…内側から扉が開いて、神ちゃんの頭にｺﾞﾝｯと直撃した。