小さなセカイの中で。-change the world-【jw×ars】 (ページ14)

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story＊012 ページ14

中｢何やねん…コレ…｣

軽く放心しながら事務室のガラス戸を開けて全体を見れば…そこら中に散乱した書類やファイル、勝手に開かれたままのパソコン…

とてつもない惨状に呆然と立ち尽くしてたら…いつの間に入ってきたんか、所員たちの驚くような声と俺を心配する松野の声が後ろから聞こえた。

松野｢所長様…大丈夫ですかっ…？｣

濵｢…淳太、一応やけど所長室も確認しといた方がええと思う。多分金目の物狙って入ったんやろうし…俺も一緒に行くから。なっ。…淳太？｣

中｢…ぁ、、おん…そうしよ…｣

濵ちゃんに腕を引かれて事務所を後にしようとすると…

ふと、デスクの上に散乱する書類の中に紛れて何か光るものが見えて、立ち止まった。

中｢待って、濵ちゃん…｣

濵｢ん？｣

掴まれてた右手を離してもらって、さっき見えた光を探す為に書類の山を横に退かす。

俺が急に変な事始めたと思って濵ちゃんも松野もビックリしてるけど…

それには構わんと書類を押し退け続けたら、銀色の何かが見えて…また埋もれる前にｶﾞｼｯとそれを掴んだ。

中｢何や……えっ、これって…｣

濵｢えっ…淳太コレ……今朝失くしてもうたって言うてた、ここの鍵ちゃうん…｣

中｢おん…俺の鍵や。黄色のカバーがついてるから間違いない。…でも、何でここに…｣

松野｢恐らく…ここに忍び込む為に、所長様の荷物から誰かが鍵を盗んだのでしょう。

…所長様、これは只事ではありません。王立騎士団本部に通報しましょう。｣

松野の言葉に頷いて、じゃあ俺がって照史に電話を掛ける濵ちゃんの様子を見てたら…

遠くの方から物凄い大声が聞こえて、振り返った。

｢所長様ーっ！！大変ですっ！！｣

中｢ｼｯ!今副所長が電話中やで。…んで、大変って何があったん？｣

｢第一研究室が…っ…薬品庫がっ……とにかく3階が大変なんです！！所長様、松野さん来て下さいっ！｣

中｢3階って…大事な薬品とかデータが集まってるとこやぞ……松野、行くで！｣

松野｢はい、所長様。｣

まだ照史と電話してる濵ちゃんを置いて、松野と一緒に事務室を飛び出す。

ﾊﾞﾀﾊﾞﾀとロビーを全力疾走して、所員が待機させてくれとったエレベーターに乗り込んだ。

…3階に向かってる間も何となく嫌な予感がして、ｿﾜｿﾜと落ち着かへんかった。