小さなセカイの中で。-change the world-【jw×ars】 (ページ13)

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story＊011 ページ13

中｢はぁ…行こ。そろそろバスの時間やし、急がな。｣

濵｢おん。｣

行ってみて入れへんかったら警備室にも予備の鍵があるし、最悪それでええよなって考えて…

濵ちゃんと一緒に能力研究所に向かった。

…ホンマに大変な事になってるなんて、知る由もなく。

･･･

中｢おはようー、今日も頼むなー。｣

研究所の最寄りのバス停から数分歩いた、静かな裏路地。

この道の先には能力研究所しかないから、前にも後ろにも居るのは所員たちだけ。

そいつらにちょっと声を掛けて、話しながら歩いてたら…あっという間に研究所に着いて、あの重厚な鉄門を抜けた。

中｢…ん？何か今日、皆早ない？｣

濵｢せやなぁ…｣

建物の前に結構な人数が集まってて、何かちょっと可笑しい。

…俺達はいつも通りの時間に来たはずやのに、皆もう待ってるなんて…って不思議に思ってたら…

少し離れた所に居った第一研究部の石川美波が、俺達に気づいて駆け寄ってきた。

石｢所長様！おはようございます！｣

中｢…おぉ、石川おはよう。…何で今日皆もう居るん？｣

石｢皆…何か深い眠りにつけなくて、早く起きてしまったとかで…あっ、松野さんもあそこに。

…それで、あの…昨日何かあったんですか？｣

中｢あぁ、石川昨日の歓迎会おらんかったよな。…実は……いや、ええや。後で話す。｣

変に悩ませてもアレやし…とか思うて途中で話すのを止めたら、更に気になってまうのかｿﾜｿﾜしだした石川。

…は、スルーさせてもらってと。

やっぱり警備室から鍵を貰ってこようかって考えとったら…建物の近くに居た筈の松野と、いつの間にか居なくなってた濵ちゃんが、猛スピードでこっちに走ってきた。

濵｢淳太、ヤバいで。｣

中｢何、どしたん。｣

松野｢研究所の正面玄関の鍵が開いています！！｣

中｢はっ！？…いや、俺昨日ちゃんと閉めたで？｣

濵｢だからや。…中見てみ。めっちゃ荒らされてる。｣

中｢はぁっ！？｣

濵ちゃんの言葉を聞いて、慌てて正面玄関に向かうと…

確かに扉は開いてて、中に入った入口のすぐ近くにあるガラス張りの事務室が…原型のない程ぐっしゃぐしゃに荒らされてもうてた。