story*010 ページ12
*翌日*
睡眠時間が短かったのに意外と早く起きられて、体内時計がしっかりしてるお陰かな〜なんて考えながら、さっさと準備を済ませて玄関に向かう。
中「んー…ちょっと早いけど、まぁええか。」
腕時計で時間を確認しつつ外に出て、玄関の鍵を閉める為にゴソゴソと鞄の外ポケットを漁って、鍵の束を引っ張り出した。
…そこまでは良かってんけど、、
中「…あれ、何か…鍵減ってる…?」
5本あった筈が、キーリングにぶら下がってるのは4本だけ。
…まぁ、取り敢えず家の鍵はあったから施錠して、何が無くなったのか確認する為にもう一回よく見てみると…
所長室と薬品庫、そして何故か持ってる陲舛磴鷁箸旅膰阿呂△辰拭
…でも、一番大事なディンプルキーだけが、接続金具だけを残して捥ぎ取られたように消えとった。
中「えっ…無いっ…!鍵が無いっ!」
鞄の中やらポケットやら探してみたけど、俺が所定の場所以外に入れる事なんてないから見つかる訳もなく…
他に入れる所って言うたら白衣の内ポケットやけど…昨日の夜に使ったからそれもなし。
中「はぁーっ…」
出掛けるに出掛けられんくて、部屋の前に立ったまま大きく溜息を吐いたら…
不意に小さな物音がして、隣のドアがガチャリと開いた。
「おぉ、おはよ淳太。さっき鍵閉まる音したから、もう行ったと思うてたわー……って、どしたん。顔死んでるけど。」
中「おはよう。…えっと…ちょっと困った事になってもーて…」
「困った事…って何?」
中「それが…その…」
何となく言い辛くて、一瞬口篭る。
でも、躊躇いつつも言わん訳にもいかんし…正直に話す事にして、口を開いた。
中「実は…鍵を失くしてもうて…」
「鍵?家の?」
中「いや…能力研究所の…」
「えっ、それホンマっ!?ヤバいやんっ!」
あからさまに慌てだした陲舛磴鵑蓮⊆分の荷物を落とすやら何やらした後…
急に一時停止して、何かを思いついたように顔を上げた。
「せやっ、」
中「ッ何っ?」
「とりあえず、研究所に向かおう。」
…何やねん。
何処で失くしたんか知ってるのかと思うたのに、それだけかい。
まぁ…ここでやんや言うてても何も変わらんし、行くけれども。ちょっと期待したやんか。
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作者名:和音 | 作成日時:2019年6月28日 8時