story＊121 ページ26
皇帝のあまりに酷い言いように込み上げた怒りに任せて叫ぶと、まさか俺が大声を出すとは思うてへんかったのか、ﾋﾞｸｯと肩を跳ねさせた目の前の奴。
…二宮皇帝だけでなく、弟の潤や側近たちまで驚いて固まってるうちに本音を言うべく、深呼吸してから口を開いた。
横｢っ…能力覚醒薬なんて必要ない。能力者なんて…もう生み出したりはせえへん。そんな事させへん。その為に王女を守るんや。
…お前達は、能力者を生み出して戦争に使う。人を殺め、領土を得る為に能力を利用する。
ｯ…陽葵を…俺の一人娘を…殺人の道具にされるのは御免や。｣
二｢へぇ…その能力者に自分の側室は殺させた癖に、僕らが能力で人を殺すのは止めたいと？
はっ、矛盾してるよ。ヨコ。
…藤井くんも小瀧くんも、そう思うでしょ？ねぇ？｣
藤｢ｯ…それはっ…｣
小｢…っ、｣
1年前の菫の件を持ち出されると、俺達は何も言えんくなる。
…菫は勿論、悪事を働いて人々を苦しめ、自身が生み出した能力者によって裁かれるべくして裁かれた。
王国を…全ての民を守る為に。
…でも、8人の能力者が1人の人間の命を奪ってしまった事、国王である俺がそれに手を貸した事…それは変えようのない事実で、深く俺達の胸に刻まれてるから…
俺も、藤井も、小瀧も…黙り込むしかなかった。
二｢あぁ、そういえば言い忘れてたけど…僕達はね、確実に能力者を生み出す方法を見つけて、西から盗んだ4瓶の覚醒薬で投与した全員を能力者にしてあげたんだ。
その証拠は……ほら、4人共。御三方に見せて差し上げて。｣
横｢見せるって何をm…ｯ！？｣
皇帝の指示を受け、素早く上半身の服を脱ぎ捨てた側近らと潤皇子。
…その4人の首筋に刻まれた、焼印のようなバーコードとシリアルナンバー。
そして、右胸元に伸びる大きな縫い目。
手術痕にも見える少々グ ロテスクなそれを見て、目を見開いて驚いた。
…そんな俺達の様子をまるで面白がる様にﾆｺﾆｺと見つめ、紅茶を一口啜ってから二宮は再び話を始めた。
二｢適合手術。
体の奥深くに少量の覚醒薬を植え付けて暫くすると、あっという間に抗体が作られる。
その術後、残りの覚醒薬を投与しても拒絶反応は全く出ず、ただ望んだ能力が覚醒するだけ。
…知ってた？人間の体って結構単純でしょ？｣
横｢っ…｣
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和音(プロフ) - 祐莉さん» いつもコメントして頂き、ありがとうございます(^^)これから益々物語が展開していきますので、是非楽しみにして頂けたら嬉しいです！これからもこの作品を宜しくお願い致します(^^) (2020年2月14日 23時) (
レス) id: eff15bf988 (このIDを非表示/違反報告)
祐莉 - 楽しく読ませてもらってます！イースト帝国の闇は深いですね！ ウエスト王国もイーストに侵略されれば同じような状況になるのは、明白だから今後ウエスト側がどう動くか気になります！ (2020年2月13日 15時) (レス) id: ea9cf53e18 (このIDを非表示/違反報告)
和音(プロフ) - そらさん» コメントありがとうございます！そう言って頂けると、とても励みになります！これからもこの作品をよろしくお願いします(^^) (2020年1月9日 18時) (レス) id: eff15bf988 (このIDを非表示/違反報告)
そら(プロフ) - 更新を楽しみにしております。 (2020年1月9日 1時) (レス) id: c08660417e (このIDを非表示/違反報告)
そら(プロフ) - すごく面白いです。 (2020年1月9日 1時) (レス) id: c08660417e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：和音
| 作成日時：2019年12月28日 17時
