story＊119 ページ24
櫻｢…再びお目にかかれて光栄です。WEST国王陛下。｣
櫻井は、思わず漏れた俺の "あっ" っていう声を気にも留めずに扉を開けて…
王様に【どうぞお入り下さい】と小さく頭を下げた。
横｢藤井、小瀧…行こう。｣
藤+小｢はい。｣
ここからでも分かる程に暗い部屋の中へと足を踏み入れられる王様のすぐ後ろを、櫻井の動きに注意を払いながら歩き、皇帝がいるであろう奥へと王様と共に歩を進めた。
すると、そこにおったのは皇帝だけじゃなくて…
紫のラインが入った、皇帝と同じロング丈のネルージャケット…前ボタンのマオカラースーツのような大礼服を着た男。
それから、親衛隊の隊長と副長の姿もあった。
櫻｢陛下、お客様です。｣
二｢ん、翔ちゃんご苦労様。
…いらっしゃい、ヨコ。それに藤井くんに小瀧くん。｣
ﾆｺｯと笑顔を向けられたけど、目の奥が全く笑ってへんから俺も望も無言のまま会釈して…
王様に何か危険が及ばんように、皇帝の側近達に目を光らせた。
────────────────────
＊横山side＊
目の前に居る、5人の男達。
その姿を見て、前回皇帝が俺に話した事が頭に浮かんだ。
【4人の能力者を連れて、苛めに行ってあげようか？】という、あの言葉が。
…この、皇帝以外の4人…全員が、能力覚醒薬を投与した"能力者"や。
横｢っ…｣
気付いてもうたからには、無意識のうちに"恐れ"が一挙手一投足に表れ…
勘の鋭い二宮は何かを察知したように俺の方を見て、ニッコリと笑顔を浮かべた。
二｢そんなに怯えないでよ。ふふ、バレバレ。
…あ、紹介するね？この子、第一皇子の潤くん。僕の弟。イケメンでしょ？
って言っても、潤くんは先帝の庶子で側室の真琴さんの子供だから、異母兄弟だし全然似てないけどね。僕は皇后の子ですから。
…あぁ、第一皇子ではあるけど潤くんに皇位継承権はなくてね、僕の息子の伊織が皇太子になったの。｣
松｢ｯ…｣
自分の弟が顔を引き攣らせてるのに、二宮は一切気にもしない。
可愛がってる風ではあるものの、皇位を継がせへん辺りは"庶子"として線引きしてるんやろう。
弟として可愛がり、城に置くだけ。
いつでも追い出せる。いつでも始末できる。…そんな存在に見えた。
少しだけ、潤皇子が可哀想にも思えたけど…
能力を手にしたなら、俺達にとってはただの敵。戦う相手。
…せやから、同情なんてせえへん。必要ない。
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和音(プロフ) - 祐莉さん» いつもコメントして頂き、ありがとうございます(^^)これから益々物語が展開していきますので、是非楽しみにして頂けたら嬉しいです！これからもこの作品を宜しくお願い致します(^^) (2020年2月14日 23時) (
レス) id: eff15bf988 (このIDを非表示/違反報告)
祐莉 - 楽しく読ませてもらってます！イースト帝国の闇は深いですね！ ウエスト王国もイーストに侵略されれば同じような状況になるのは、明白だから今後ウエスト側がどう動くか気になります！ (2020年2月13日 15時) (レス) id: ea9cf53e18 (このIDを非表示/違反報告)
和音(プロフ) - そらさん» コメントありがとうございます！そう言って頂けると、とても励みになります！これからもこの作品をよろしくお願いします(^^) (2020年1月9日 18時) (レス) id: eff15bf988 (このIDを非表示/違反報告)
そら(プロフ) - 更新を楽しみにしております。 (2020年1月9日 1時) (レス) id: c08660417e (このIDを非表示/違反報告)
そら(プロフ) - すごく面白いです。 (2020年1月9日 1時) (レス) id: c08660417e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：和音
| 作成日時：2019年12月28日 17時
