story＊118 ページ23
あれだけを言うて櫻井の声は止み、物音一つせえへんくなったロビー。
あの、"主人は多忙で迎えに出られない"って言葉は、きっと嘘やろう。
皇帝は王様を、自分が迎えに出るまでもない相手やと思って、WEST王国を…王様を…軽んじてるんや。
…そうすれば、さっきの山田涼介の行動にも説明がつく。
全くもって、理解は出来ひんけど。
でも…それでも王様は怒る事なく"ふぅー…"と深く長く息を吐いて目を閉じ、何度か頷きながら再び目を開けて、笑顔で"行こう"と仰られた。
…本当は、悔しくて悔しくて…堪らない筈やのに。
藤｢っ、王様ｯ…｣
横｢藤井、小瀧…何も言うな。ただ惨めになるだけや。…黙って付いてこい。｣
小｢…ｯ…はい…｣
藤｢っ…承知しました、王様。｣
【ただ惨めになるだけ】
そう仰られて俺達に背を向けられた王様の、その御背中がｶﾀｶﾀと小刻みに震えとって…
それを見たら、俺達はもう何も言えんくなって…
あの小さな人型ロボットに付いて行かれる王様の後ろを、ただただ歩くしかなかった。
･
道案内ロボットが示す通りに進んで、スケルトンのエレベーターに乗り込み85階へ。
王様が何も仰られないから、勿論俺達も無言で超高速に流れていく外の景色を見てたら…
あっという間に目的階に到着して、エレベーターを降りた。
…そして、今度は間接照明の照らす長い廊下を歩いてると…段々と明かりが薄暗くなって、ある一つの扉の前に辿り着いた。
横｢…ここか。｣
藤｢…そのようですね。｣
ロボットの胸元に取り付けられたタブレットに表示された【御案内完了】の文字で確信を持ち、その大きな扉のドアバーにそっと手を伸ばすと…
俺がそれを引く前に内側から力強く押されて、危うく転けそうになった。
？｢あぁ、失礼。｣
藤｢いえ。こちらこそ、申し訳ありm……あっ。｣
開いた扉の中から出てきたのは、ネルージャケットを着た赤メッシュ髪の男。
…それは間違いなく、皇帝の執事で発火能力者の櫻井やった。
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和音(プロフ) - 祐莉さん» いつもコメントして頂き、ありがとうございます(^^)これから益々物語が展開していきますので、是非楽しみにして頂けたら嬉しいです！これからもこの作品を宜しくお願い致します(^^) (2020年2月14日 23時) (
レス) id: eff15bf988 (このIDを非表示/違反報告)
祐莉 - 楽しく読ませてもらってます！イースト帝国の闇は深いですね！ ウエスト王国もイーストに侵略されれば同じような状況になるのは、明白だから今後ウエスト側がどう動くか気になります！ (2020年2月13日 15時) (レス) id: ea9cf53e18 (このIDを非表示/違反報告)
和音(プロフ) - そらさん» コメントありがとうございます！そう言って頂けると、とても励みになります！これからもこの作品をよろしくお願いします(^^) (2020年1月9日 18時) (レス) id: eff15bf988 (このIDを非表示/違反報告)
そら(プロフ) - 更新を楽しみにしております。 (2020年1月9日 1時) (レス) id: c08660417e (このIDを非表示/違反報告)
そら(プロフ) - すごく面白いです。 (2020年1月9日 1時) (レス) id: c08660417e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：和音
| 作成日時：2019年12月28日 17時
