story＊139 ページ44
2人の口から次々と溢れ出す、余りに残酷すぎる言葉たちに、何を言っていいのか…何を口に出していいのか…見失って黙り込む。
…暫くしてやっと絞り出したのは、何も知らん部外者らしい言葉だけだった。
重｢…で、でもっ…俺の国では、EAST帝国の統計で何年も人口が増え続けてるって報道されてっ…｣
慧｢そりゃ…いくら死者が多くても、16歳から出産ノルマを決められて体が壊れるまで子供を産み続ければ、嫌でも人口は増えますよ。
…ｳｫｰﾙの中に住む平民だって、辛うじて生きてるようなｳｫｰﾙ外で暮らす下民だって、女性の扱いは同じ…この帝国にとってはただの出産マシンなんですよ。｣
重｢っ…そんなっ…｣
隣国で暮らす俺達が学校の授業で習うよりずっと…俺達が思うより遥かに…EAST帝国のカースト最下層民の現実は厳しい。
陰湿なイジメ、研究所への誘拐、そして能力…俺が感じた苦しみなんて、"大した事ない"と思えるくらいに。
…でも、宏太くんも慧くんも決して暗い顔なんてせず、さも当たり前の事のように真っ直ぐに俺の目を見て、少しだけ口角を上げた。
宏｢悲観したって、何かが変わる訳じゃありません。どうしようもないんです。
…これは全て、皇帝陛下がお決めになった事ですから。｣
慧｢…国中に大量の監視カメラがあって、法に逆らう事は出来ません。
もし何か事を起こせば、監視カメラに付けられた自動発砲装置が起動して射殺される…僕達は、ここで生きていくしかないんです。｣
・
宏｢いつ死ぬか分からなくても…いつ弟が、親友が、目の前から居なくなるか知れなくても…
…俺達には、この世界を変える力なんて無いから。｣
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和音(プロフ) - 祐莉さん» いつもコメントして頂き、ありがとうございます(^^)これから益々物語が展開していきますので、是非楽しみにして頂けたら嬉しいです！これからもこの作品を宜しくお願い致します(^^) (2020年2月14日 23時) (
レス) id: eff15bf988 (このIDを非表示/違反報告)
祐莉 - 楽しく読ませてもらってます！イースト帝国の闇は深いですね！ ウエスト王国もイーストに侵略されれば同じような状況になるのは、明白だから今後ウエスト側がどう動くか気になります！ (2020年2月13日 15時) (レス) id: ea9cf53e18 (このIDを非表示/違反報告)
和音(プロフ) - そらさん» コメントありがとうございます！そう言って頂けると、とても励みになります！これからもこの作品をよろしくお願いします(^^) (2020年1月9日 18時) (レス) id: eff15bf988 (このIDを非表示/違反報告)
そら(プロフ) - 更新を楽しみにしております。 (2020年1月9日 1時) (レス) id: c08660417e (このIDを非表示/違反報告)
そら(プロフ) - すごく面白いです。 (2020年1月9日 1時) (レス) id: c08660417e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：和音
| 作成日時：2019年12月28日 17時
