赤×虫垂炎 ページ42
-末澤side-
末｢ぅ〜…ｯ……ったい…ｯ…｣
福｢誠也くん、これ無理やって…病院行きましょ？｣
末｢…ｯうっさい、そんな時間無いやろっ…！｣
佐｢そやけど…明らかに普通ちゃいますって！｣
グレショーの本番前。
舞台裏のパイプ椅子に蹲って、心配してくれる末っ子組にキレ散らかしてる俺。
腹がな、ちょっと痛くて。
最初は緊張かと思っててんけど、何かちゃうねん。
内臓が捻れてるみたいな、体内で雑巾絞りされてるんかって感じの痛み方。
もう、そろそろスタンバイせなダメな時間やけど…
あかん、セリフ飛びそう。
草｢末澤〜？…うわ、顔青っ。お前、ホンマにいけんの？｣
末｢…ｯいく、けど……正門っ…痛み止め、貰ってええ…っ？｣
正｢いや、でも…誠也くん…｣
末｢っ…いいからｯ…！｣
この日の為に、演者がどれだけの稽古を重ねたのか。
関わるスタッフさんが、演出家が、どれだけ待ちわびた今日なのか。
痛いほど理解出来るからこそ、俺一人の体調なんかで止められへん。
止めていい訳が無いねん。
正門から受け取った薬をぬるい水で流し込んで、冷や汗で落ちたメイクも綺麗に直してもらった後、腹を括って袖に立つ。
隣には、俺の数倍重たい衣装に身を包んだ小島。
小｢なぁ、誠也くん。｣
末｢…何も言うな。今は。｣
小｢はぁ…頑固やなぁ、もう。ぶっ倒れんとってや。｣
末｢ったり前やろ。｣
ホンマは、今も痛い。
くっそ痛い。
でも、そんな最悪なコンディションの中でも、気力と根性の本番の幕が上がった。
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和音(プロフ) - あさん» コメントありがとうございます。そう言って頂けて、とても光栄です。稚拙な文章ではございますが、引き続き宜しくお願い致します。 (1月25日 12時) (
レス) id: 340ba87f5d (このIDを非表示/違反報告)
あ - 大好きです！毎日更新されていないか確認しに来てしまいます笑 これからも楽しみにしています。 (1月24日 19時) (レス) id: 13ab776e80 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：和音
| 作成日時：2024年1月20日 17時
