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-福本side-
福｢っ…ｹﾞﾎｯ…悠くーん！悠くんどこやーっ？｣
小｢おーい！兄ちゃんらの声聞こえたら返事せぇ！っ…ｹﾞﾎｯｹﾞﾎｯ…｣
燃え上がる炎を視界の真ん中に捉えながらも、こじけんと2人で小さな体を捜し回る。
熱と煙が酷なってきて、たれ流されるように咳と汗が止まらん。
諦められへん。
諦めたらあかん。
その一心で、足を動かし続けた。
小｢っ…ｹﾞﾎｯ…大晴！こっち！！｣
福｢えっ？いや、待って…！！｣
一際、火の手が大きい小上がりのその場所。
原型はないけど、ここはカフェがあったスペースで。
…まさか、ここが火元？
なんて、熱さに顔を顰めておののく俺をよそに、こじけんは躊躇う事なく中に飛び込んでいく。
え、え、ってパニックになる前に見えたのは、オレンジ色に照らされて横たわるちっさい背中。
…悠くんや。
福｢…ｯ…こじけん！｣
小｢こいつ気ぃ失ってる！急がな死ぬぞ！｣
福｢…っ、俺がおぶって走るわ！｣
すすを被って傷だらけの体。
背中に乗せたらﾋﾟｸｯと反応して、小さく"ママ"って呟かれる声。
大丈夫。
大丈夫やで。
俺らが絶対、ママんとこ帰したる。
約束や。
だから、死ぬんちゃうよ。
これから、お兄ちゃんになるんやろ。
福｢ｹﾞﾎｯｹﾞﾎｯ…よっしゃ、早よ行く…でっ……うわぁっ！？｣
小｢ｯ…熱っ！！｣
ﾄﾞｫﾝｯ!なんて低い轟音がした。
目の前に広がる火の海。
塞がれた退路。
この地獄絵図は、運命か必然か。
Aぇとして立ったライブ会場でのペンライトの海が、メンバーの弾ける笑顔が、ふっと脳裏に浮かんだ。
これって、走馬灯なんやろか。
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和音(プロフ) - あさん» コメントありがとうございます。そう言って頂けて、とても光栄です。稚拙な文章ではございますが、引き続き宜しくお願い致します。 (1月25日 12時) (
レス) id: 340ba87f5d (このIDを非表示/違反報告)
あ - 大好きです！毎日更新されていないか確認しに来てしまいます笑 これからも楽しみにしています。 (1月24日 19時) (レス) id: 13ab776e80 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：和音
| 作成日時：2024年1月20日 17時
