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-末澤side-
末｢…あの、さ……｣
先に無言を破ったのは俺やった。
細っこい腕に刻まれた、数え切れへん程の痛々しい傷跡。
それが何を意味してるか、気付かんフリをしたかった。
…でも、出来ひんやろ。
無理に決まってるやん。
末｢自分で、やったん…それ。｣
佐｢…っ…｣
末｢佐野。｣
佐｢……やりました…っ…自分、で…｣
怯えるように距離取って、震える声で俺の質問に答えた佐野。
でっかい体折り曲げて、部屋の隅っこで膝抱えて。
でも、何でそんな事したんって聞いても、黙りこくったまんま首を横に振るだけ。
人の愛情を知らん野犬みたいな目付きで俺を見上げる瞳が、"詮索せんといて"って必死に訴えてた。
せやけど…せやけどさ。
下手したら死ぬかもしれへんねんで。
末｢こんなんして、痛いのは自分やろ。…ほら、言うてみ。｣
佐｢…言いたない。｣
末｢何で。｣
佐｢っ……しょうもない、もん…｣
ちっさくなる言葉尻。
切れ長な目が何かを堪えて閉じていく。
しょうもない理由で佐野が自傷なんかする訳ない。
誰より真面目で、アイドルって仕事をちゃんと考えてやってんねんで？
…そう、分かってたから。
佐｢…誠也くんには、関係ないやん…っ…｣
末｢お前が傷付いてんのに、関係ないって何やねん！俺らメンバーやろ？｣
佐｢メンバーにも…っ、言えない事くらいあります…！｣
その言葉に、堪忍袋の緒が切れて…
俺が佐野の胸ぐらを掴んだのと、背後で扉が開いたのはほぼ同時やった。
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和音(プロフ) - あさん» コメントありがとうございます。そう言って頂けて、とても光栄です。稚拙な文章ではございますが、引き続き宜しくお願い致します。 (1月25日 12時) (
レス) id: 340ba87f5d (このIDを非表示/違反報告)
あ - 大好きです！毎日更新されていないか確認しに来てしまいます笑 これからも楽しみにしています。 (1月24日 19時) (レス) id: 13ab776e80 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：和音
| 作成日時：2024年1月20日 17時
