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-佐野side-
やめられへんエゴサ。
脳内に木霊する罵詈雑言。
怖くて仕方ない人の視線、目線。
何度も。
何度も。
何度やって。
傷が塞がる前に新しい傷を作っては、溢れる血を眺めて過ごして。
止血も手当てもたまに起こす貧血も、もう慣れっこで。
痛みなんてとっくに感じひん。
自分が可笑しなっていく事には気付いてたけど、すぐに止められる程簡単じゃなかった。
いや、止めたいとも思ってへんかったと思う。
…でも、そんな日々は長くは続かへん。
抱えた秘密は、いつか必ずバレるんや。
福｢晶哉？何してんの、早よ着替えな撮影始まんで？｣
佐｢あ、うん…｣
某誌さんの取材。
半袖での撮影、つまりは腕を出さなあかん。
今の僕の腕、とても見せられるような状態とちゃうねんけど…って固まってたら、いつの間にか周りには誰も居らん。
とりあえず着替えなって半袖半パンの衣装に袖を通したものの、何本も赤黒い線が引かれた腕は異様な存在感を放ってる。
撮影開始までは、あと15分。
佐｢包帯…目立つな、テーピングも無理か…どないしよ…｣
衣装部屋をウロウロ。
隣がメイクルームやから、メイクさんに頼んでファンデーションシートでも貰おかなって考え始めた時やった。
"佐野〜？"なんてよく通る声が外から聞こえたと思えば、僕が返事をする前に開かれる扉。
え、え、待って。
末｢佐野？もう始まんのに何して……っえ、おま…その腕っ…｣
佐｢っ……誠也、くん…｣
どうしよ、どうしよ。
見られてもうた。
全身から冷や汗が吹き出して、手がｶﾀｶﾀと震える。
あかん、怖くて誠也くんの顔見れへん。
長く長く、続く沈黙。
大好きな誠也くんと居る空間が、こんなにも苦痛で息が詰まるように感じるやなんて、そんな自分を信じたくなかった。
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和音(プロフ) - あさん» コメントありがとうございます。そう言って頂けて、とても光栄です。稚拙な文章ではございますが、引き続き宜しくお願い致します。 (1月25日 12時) (
レス) id: 340ba87f5d (このIDを非表示/違反報告)
あ - 大好きです！毎日更新されていないか確認しに来てしまいます笑 これからも楽しみにしています。 (1月24日 19時) (レス) id: 13ab776e80 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：和音
| 作成日時：2024年1月20日 17時
