・ ページ2
-佐野side-
佐｢ｯ…ｹﾎｯｹﾎ…っ……ｹﾞﾎｯ…｣
自分の意思で逃げ込んで来たくせに、今更大後悔中の僕。
だって、こんなに酷なると思ってなかったから。
風邪にしては長引く咳やなぁって、かれこれ1週間くらい？
自分なりに喉のケアとかしてみたんやけど、どうも上手くいかんくて。
皆に移しちゃあかんからってトイレの個室で隠れてケホケホして、ちょっと治まってから戻るつもりやった。
…でも、中々落ち着いてくれへんし、終いには段々胸まで痛くなってきた所で、聴こえたリチャくんの優しい声。
縋るよなぁ…
縋っちゃうよなぁ…
だってしんどいもん。
草｢晶哉〜？うわ、汗凄いやんか。｣
佐｢っ…リチャく……ｯ…ｹﾞﾎｯｹﾎ…｣
草｢咳酷いなぁ。ちょっと入るで。｣
便座の上に膝抱えて座ったまんま鍵だけ開けたら、困り顔したリチャくんが目の前に。
狭いのにわざわざ中まで入ってくれて、咳が止まらん僕の背中を摩ってくれる。
だけど…
咳の狭間、不規則な呼吸に合わせる様にﾂｷﾝｯﾂｷﾝｯと感じる胸の痛み。
治るどころか悪化してきてる気ぃする。
…あかん。
何か苦しいかも。
佐｢ｯ…はっ…はぁｯ……っ…ｹﾎｯ……ひｯ…｣
草｢晶哉っ？どしたん、苦しいっ？｣
佐｢っ…ﾋｭｰ……ｹﾎｹﾎｯ…っ…ﾋｭｯ…｣
大丈夫って言ってあげな。
心配させたらあかんのに。
でも、そんな余裕ないくらい痛くて、息の仕方すら分からんくて、声も出せへんかって…
遂には体勢すら保てなくなった僕は、ﾌﾗｯとリチャくんの方に倒れかかってもうた。
草｢晶哉？おい、晶哉っ！｣
佐｢ｹﾎｯ…ﾋｭｰ……っ…ｹﾞﾎｯ…｣
両肩を掴まれて揺すぶられる。
聞こえてるで、一応。
聞こえてはいるねんけどな。
ごめんなさい、リチャくん。
今はお返事出来ひん。
…助けて、ください。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 362人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
和音(プロフ) - あさん» コメントありがとうございます。そう言って頂けて、とても光栄です。稚拙な文章ではございますが、引き続き宜しくお願い致します。 (1月25日 12時) (
レス) id: 340ba87f5d (このIDを非表示/違反報告)
あ - 大好きです！毎日更新されていないか確認しに来てしまいます笑 これからも楽しみにしています。 (1月24日 19時) (レス) id: 13ab776e80 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：和音
| 作成日時：2024年1月20日 17時
