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-福本side-
いやぁ、ホンマに肝が冷えた。
誠也くんの声が聞こえて振り向いたら、鼻から血ぃボタボタ垂らしてんねんもん。
しかも熱中症気味やったとかで、今は珍しい事にしおらしく反省中。
とは言っても、稽古場の隅っこにアクロバット用の薄いマット敷いて横になってんねんけど。
あ、鼻血は無事に止まったで。
末｢いや、ほんま…悪かった。自分の体調に気付かんとか、マジでアホや…｣
正｢まぁ…もうちょっと早めに休んで欲しかったですかね。鼻血出したり倒れる前に。｣
末｢…やんな、分かってる。｣
あの誠也くんがしょげとるから、ギャグで元気づけてあげよかなって隣のこじけんと目を見合わせる。
けど、俺らが動き出す前に後ろから良く通る声がして、それは涙でぐっちゃぐちゃな顔した晶哉のもの。
せめて拭きやぁって袖引っ張って拭ってやったら、ありがとって可愛ええ顔して誠也くんの元へ。
んで、ちょっと聞き耳立ててみたら、晶哉は誠也くんに謝りたかったんやて。
佐｢今日はホンマ、すみませんでした。僕が誠也くんに無理させへんかったら、きっと倒れる事もなかったのに…｣
末｢や、佐野のせいちゃうよ。俺が鈍感すぎてん。アラサーにもなって、まさか自分が熱中症やって気付かんとは思わんかったけど。…こっちこそ、ごめんな。｣
佐｢っ…誠也くん、っ何で、そんな優しいん…っ…｣
小｢あー！誠也くんが晶哉泣かしたー！｣
福｢あー！ほんまやー！｣
末｢っちょ、ちゃうって！今の俺のせいなんっ？｣
草｢せやなぁ…今のは末澤が悪いな。｣
末｢おい、せめてリチャはこっちの味方であれ！｣
正｢誠也くん！まだしんどいねんから大声出しちゃあかんって！｣
末｢いやいや、病人に大声出させてんのコイツらやん！｣
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作者名：和音
| 作成日時：2023年11月18日 2時
