Aぇ明日が来ますように。 (ページ43)

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-草間side-

あかんあかん。

これはあかん。

急いで別行動してた奴らと合流して山を下りたはええものの、末澤の震えは止まらんまま。

山岳ガイドさんが言うには低体温症やろうって事やけど、この悪天候で車が動かせへんらしくて、市街地の病院まで行くん無理やって。

勿論、救急車も。

草｢とりあえずあるだけ布団と毛布出して、あとヒーター借りれたら欲しい。｣

福｢っ…わかった！｣

小｢温かい飲み物とかもあった方がええ？｣

草｢ん、お願い。｣

正｢誠也くんごめんなぁ、お布団いっぱいかけるで。苦しかったら言うてね。｣

佐｢っ、僕っ、体温計とかっ…｣

麓の旅館。

元々泊まる筈やった大部屋に布団敷いて末澤を寝かして、見てて暑苦しいくらいに温める。

晶哉が借りてきてくれた体温計には明らかに低すぎる34.7℃って数値が表示されて、急いで復温させなって某番組で兄さん達に教わった事を思い出す。

これでもって全然冷静とちゃうねん。

必死なんよ。

末｢っ、っ…りちゃ…ｯ…｣

草｢…大丈夫、大丈夫や。｣

ふらふらと揺れる水分の多い瞳が俺を見上げて、弱々しくこっちに伸ばされる腕。

掌を握ってやれば氷みたいに冷たい。

真っ青な顔して浅い呼吸で懸命に酸素を取り込もうとする姿が儚くて、あんな場所に一人で取り残してもうた事を死ぬほど後悔した。