Aぇ明日が来ますように。 (ページ39)

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赤×低体温症ページ39

-末澤side-

草｢へくしゅんっ！｣

リチャードのくしゃみから始まる話って何？

…って、そんなんどうでもええねん。

今、俺らは思っきし寒い所におんねん。

どこって、景色見たら分かるやろ？雪山や雪山。

正｢っ…さっぶ……あれ、誠也くん誰と喋ってるんですか？｣

末｢ん？読者さん。｣

小｢うわ、激メタ発言や。｣

福｢こじけん、メタいとか言うてる時点であかんわ。｣

佐｢皆アウトっすよ…ってか、よく余裕で喋ってられますねっ…？｣

喋ってると気ぃ紛れるからか、さっきから皆して口数多め。

まだカメラ回ってへんから、リチャとか佐野はいつも通り無口気味やけどな。

まぁ、そんな事より、今日は最近流行りのふわふわなかき氷を作る為の天然氷がどうやって出来てるんか調査するってロケらしいねんけど…

歩っても歩っても標高が上がるばっかで、目的の製氷池って所には一向に着かへん。

流石の俺らも口数が減ってきて、寒いなぁヤバいよなぁって引っ付きながら山登り。

…あーあ、もう頂上なるで。

絶対どっかで道間違ったやん。

ほら、スタッフさん慌ててんもん。

末｢もーいや、さむい…｣

さっきから寒いとは思ってたけど、いよいよ体の震えがえげつなくなってきて、足が動かへん。

すぐ前を歩いてた筈の正門と佐野の背中が、どんどん遠くなる。

あかん、置いてかれる。

こんな雪山で1人んなったら絶対遭難する。

でも、しゃんとせなあかんって分かってても、寒すぎてちゃんと歩けへんの。

…どうしよ、待ってや。

置いてかんといて。

そんな声は遠く離れたあいつらには届かんくて、あっという間に視界は真っ白にホワイトアウトした。