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-正門side-
佐｢っ…ホンマすいません…｣
福｢も、止まったっ…ごめん…｣
2人の涙が漸く止まった頃。
泣き腫らしてすっかり真っ赤になった目をこじけんがイジりまくってる声を聞きながら、ちょっとぶり返し始めた痛みに顔を顰める。
薬、切れたんかな。
疼くみたいに体中ズキズキする。
でも、晶哉達にまた心配かける訳にいかんし、きっと気の所為やって自分に言い聞かしといた。
正｢リハビリって、相当時間かかんねやんなぁ…｣
小｢んー、まず骨くっつかなあかんし、それより先にまっさんの場合は頭縫ってんねんからそっち治ってからやろ。｣
正｢せやね……何や大事にしてもうたな…迷惑かけてごめんなぁ…｣
頭と足、それからお腹に肩。
体の色んな所が痛むけど、正味そんなんどうでもよくって、一番痛いのは心やった。
明日収録の筈の音楽番組はどうなるんやろ。
ゲストで出る事が決まってるバラエティは？というか、MCを務める情報番組も。
あぁ、俺が怪我したせいでドラマの撮影やって止まる。
もしかしたら、俺以外の誰かが俺の役名で出るかもしれへん。
…ただ、でも、もしそうなる運命やったとしても、後悔はしてへんよ。
後悔なんてする訳ないやん。
佐｢え、正門くんが怪我したのって子役の女の子を庇ったからなんっ？｣
正｢あぁ、まぁ…うん。｣
小｢リアコやんそんなもん。出た出た、メンヘラ製造機。｣
福｢その子、確実にまっさんに惚れたんちゃうん。将来が心配やぁ…｣
正｢えぇ、何それぇ…｣
2人が何言うてるのかは分からへんけど…
諸々を置いといて今思うのは、とにかくあの子が下敷きにならへんで良かったって事や。
俺の怪我ひとつって簡単に済む話やなくても、命には代えられへんからなって言うたら、正門のくせにカッコつけんなってシバかれた。
あ、でもちゃんと患部は避けてくれてたで。
当たり前やけど。
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作者名：和音
| 作成日時：2023年11月18日 2時
