紫×高熱 ページ26
-小島side-
ある日の朝、妙な不快感で目が覚めた。
顔がやけにポッポして、体の芯は震える程ゾクゾク寒い。
アホな俺でも一発でわかったわ。
これ、熱あるやんって。
小｢…うわ、｣
母｢何度やった？｣
小｢7度6分…｣
今日はバンドのリハやし、朝メシ食わな体力持たんってフラフラしながらリビングに降りたら、速攻オカンにバレて渡された体温計。
普段滅多に風邪なんか引かんから、表示された微熱ちょっと上の数字にもビビる。
今めっちゃ寒いのにこれって、絶対上がるやん。
母｢健、ソファで寝たら熱上がんで。休むなら休むってマネージャーさんに言い？｣
小｢今日リハやから行く…ちょっと休まして…｣
自分の体温見たら一気にしんどなって、ソファの上で蹲る。
リハーサルとはいえ仕事に穴空けるのは無いし、人肌恋しくてメンバーに会いたいし…
なんて、ぼんやりしてたらいつの間にか寝てたみたいで、30分くらいして起きた時には目の前に湯気の立つおじやと風邪薬、それからデコに冷えピタ。
俺のスマホのディスプレイに貼られた付箋には、"熱上がっとるから無理せん程度に無茶してき"って書いてあって、用意してくれたオカンはさっさと仕事に行ったらしい。
俺が簡単に休めへんってのを理解してくれてるから、無理くり止めたりせぇへんねんな。優しさが染みるわ。
小｢…よし、頑張ろ。｣
まだ食欲のあるうちは行けるはず。
大丈夫や、大丈夫。
自分に言い聞かせるみたいにおじやを完食して薬飲んで着替えて準備して、体温計とか冷えピタの替えとかもまとめてカバンに突っ込んで…
移したらあかんしってマスクしたせいで冷えピタと相まって完全なる病人姿で、どうにかこうにか送迎車に乗り込んだ。
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作者名：和音
| 作成日時：2023年11月18日 2時
