・ ページ24
-正門side-
晶哉が気を失って、程なくして動き出したエレベーター。
扉が開いた瞬間に目が合ったのは心配そうな顔したメンバーで、ホッと息を吐く。
閉じ込められてた時間はそこまで長ないとは言え、案外自分も不安やったんやなって。
末｢災難やったなぁ…って、佐野どしたんっ？｣
正｢狭い所苦手やのに閉じ込められちゃったから、過呼吸なってん。｣
福｢もしかしたら使うかもって撮影場所の隣の部屋毛布敷いたから、寝かせられるで！｣
草｢そんで2人もちょっと休み。脱水なるから。｣
リチャくんに言われて、晶哉を抱えたこじけんと顔を見合わせる。
晶哉の事があったから気ぃ付いてなかったけど、冷房が切れちゃってたのか俺もこじけんも汗だくやった。
水分とらなって連れてかれて、晶哉の目が覚めるまで俺達も束の間の休息。
佐｢…っ、ん……｣
30分くらい経った頃かな。
床に敷かれた毛布の上でグッタリ横になってた晶哉の目が開いて、状況が分からんと何回か瞬きした後、みるみる申し訳なさそうな顔になる。
福｢あれ、体起こすん？｣
佐｢も、だいじょうぶ…です…｣
正｢まだ顔色悪いから無理したらあかんよ？｣
草｢支えるからゆっくりな。｣
末｢佐野も水飲み。汗かいたやろ。｣
小｢ほれ、珍しくリチャくんの奢りやって。｣
皆で一斉に寄ってって声を掛けたのは、やっぱりこの子がうちの可愛い最年少やから。
ぽつりぽつりって話してくれたのを聞いたらな、昔から極度の閉所恐怖症やって、エレベーターもいつも無理して乗ってたみたい。
ホンマにこの子は…
目の前にお兄ちゃんが5人もおるのに、頼る事が下手っぴなんやから。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 329人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：和音
| 作成日時：2023年11月18日 2時
