Aぇ明日が来ますように。 (ページ23)

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-佐野side-

どうしよう。

こわいっ…こわい…

ただ何事もなく、いつも通りちょこっとの時間やからって我慢してエレベーター乗って、すぐに撮影場所に着く筈やったのに。

なぁ、何でこうなるん…？

佐｢っ…はぁ……ｯ……はっ…｣

手がガタガタ震え出して、息もまともに吸えへんくなって、足から力が抜けるみたいにストンっと座り込む。

真っ先に気付いてくれたのは、正門くんやった。

その声に反応して小島くんも来てくれて背中を摩ってくれるけど、もう訳分からんくてしがみつく事しか出来ひん。

ちっちゃい時から、とにかく狭いところが苦手やった。

理由なんて些細な事で、子供によくある遊びの延長が行き過ぎてもうたヤツ。

かくれんぼしてたらふざけ半分で外から鍵閉められて、一晩中出れんと泣き喚いて…

翌朝こじ開けて助けてくれたのは、一晩中血眼になって捜してくれたオトンやった。

誰にやられたとかもあやふやな、そんな小さな記憶一つ。

それが、こんな形でメンバーに迷惑を掛けるなんて思わんくて、閉じ込められたっていう恐怖心と相まって頭がパニックになる。

佐｢っ…こわいｯ……はぁ…ｯ…ひっ…｣

正｢晶哉、大丈夫やで〜…ほら、俺もこじけんもおるよ〜？｣

小｢晶哉、俺の目見て？ゆっくり深呼吸しよな。｣

佐｢ｯ…ふ、…はっ……はぁｯ……っ…むり…ｯ…｣

いつの間にか酷い過呼吸になってて、こっち見てって目の前におる小島くんの顔すらぼやけて見えへん。

嫌や…僕、このまま死んじゃうん？

なんて、冷静に考えれば過呼吸で死ぬ事なんか有り得へんって分かるのに、今はとにかく正常な思考回路じゃない。

どんどん焦りばっかりが膨らんで、呼吸も整わんくて…遂にフッと意識を飛ばしてもうた。