止まない雨はないから。[青] -2nd- (ページ44)

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89話ページ44

-目黒side-

あの時、自分の周りが全部敵に見えた。

応援してくれる人もいるって、マイナスな事ばかりが全てじゃないって分かるのに。

鋭利で心無い言葉の刃が、容赦無く胸に突き刺さった。

苦しくて、耐え難くて…

けど、それがこの世界で生きていくって事なんだって実感した。

だから別に、そういう事を考えるなとは言わない。

見るなとも言わない。

そんなの無理だって、俺らが一番分かってる。

その代わり、支えたい。

誰よりも傍で。

誰よりも近くで。

しょっぴーや皆が、俺らにしてくれた様に。

そう思う事って、罪じゃないでしょ？

目｢俺ら年下組はさ、歳も離れてるし中身なんてまだガキだし、ふっかさん達に比べたら全然頼りないかもしんないけど…支えたいって思ってるのは、嘘じゃないから。｣

向｢うん。ラウやってな、ホンマは今日ここに来たがってたんやで。しょっぴーが心配やからって。｣

目｢そりゃそうだよ。だって、"メンバー"って助け合う為にいるんだもん。だからさ、しょっぴーが感じてる苦しさ、ちょっとでも分けてよ。｣

渡｢っ…｣

俺と康二、ラウール。

グループの下3人。

でも、守られてばっかじゃいられない。

俺らも、大切な人を"守りたい"。

そんな真っ直ぐに伝え過ぎた言葉に、徐々に俯きがちになってた視線が上を向く。

そして、しょっぴーは俺と隣の康二を順番に見つめて、ゆっくりと頷くから…

それに合わせる様に、俺らも首を縦に振った。

しょっぴー1人に頑張らせない。

9人で一緒に乗り越える。

それが【SnowMan】の固い絆なんだ。

それでも…しょっぴーは多分、メディアや世論に急かされて、早く復帰したいって焦っちゃうよね。

歌舞伎の稽古にも早く戻らなきゃって。

だって手術までしたのに、自分の体調より周りに迷惑を掛ける事を気にしてる人だよ？

でもさ、また無理をしちゃったら治る物も治らないから。