止まない雨はないから。[青] -2nd- (ページ37)

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82話ページ37

-渡辺side-

ラ｢めめ離してよーっ！｣

目｢お前らが離せよ。｣

向｢そんなん言われる筋合い無いもん！｣

あれから5分が経過しても、未だ続く年下3人のしょうもない小競り合い。

もはや何で揉め始めたかも忘れてるだろうに、今も2人が俺の手を離さないまま目黒に引っ張られてるから、必然的に俺まで引っ張られて腕がもげそう。

一応病人なんですけど…とは思いつつ、体に力が入らなくて抵抗できないから、されるがままになってたら…

漸く、待ち焦がれた助け舟が。

宮｢翔太まだ熱あるんだから、あまり引っ張らないでやって？｣

岩｢おい、お前ら喧嘩すんな。翔太巻き込むな。｣

深｢手術したばっかなんだぞー？｣

涼太が2人に掴まれてた両手を離して助けてくれて、それに乗じる様に今まで日和見してた照とふっかも少し怒りながら止めてくれた。

てか、やり取りを見てたなら、出来れば揉める前に止めてくれると有難かったんだけどさ。

深｢翔太だって目の前で喧嘩されて、その上巻き込まれたら嫌だって。｣

渡｢っ…(ｺｸﾝ)｣

深｢ほら。だから、ちゃんと仲良くしなさい。いい？｣

ふっかの強力な最年長パワー(?)により、やっと無事に3人が仲直りしたものの…

少しは労わって欲しいくらいに、普段通りな皆の様子。

でも、それに安心して、自然と口角が上がるのも事実なんだ。

誰もこの喉の器具を気にしたりしない。

俺の声が出なくても変わらないでいてくれる。

それなら、ファンの皆さんも受け止めて待っていてくれるだろうか。

なんて、メンバーを見てるだけでポジティブになれて…

その思いと共に迎えた翌日は、幾分か気持ちが楽だった。