止まない雨はないから。[青] -2nd- (ページ31)

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76話ページ31

-深澤side-

マネ｢お食事中にごめんなさい。｣

チーフ｢お前ら、ちょっといいか。｣

前触れなく入ってきたのは、マネージャーとチーフマネージャー。

チーフが直々になんて滅多に無いし、何事かと箸を置けば…

"ちょっとツラ貸せよ"なんて8人揃って呼ばれて、ﾋﾞｸﾋﾞｸしながら後ろを付いて行く。

でも、何かやらかしたっけと頭をフル回転させてたものの、辿り着いたのは予想外の場所だった。

深｢副社長室…？｣

佐｢俺ら、何か怒られるんじゃ…？｣

チーフ｢馬鹿言え。滝沢副社長がお前らをお呼びだ。早く入れ。｣

そうして、何も知らされないまま無理矢理ぶち込まれた副社長室。

そこで滝沢くんから聞かれたのは…他でもない、翔太の事だった。

今の体調とか、気管切開手術の事とか、決して短くない入院の事とか。

他のメンバーに見守られながら、一番事情を知る舘さんが事細かに説明する。

すると、全ての状況を鑑みて少し考え込んだ後に滝沢くんが出した結論は…

俺らとしてもショックが大きい一言。

滝｢渡辺を一定期間の活動休止にする。異論は認めない。今あいつが優先すべきは療養。ただそれだけだ。｣

岩｢いや、でも…｣

滝｢岩本。お前もリーダーとして、そう思うだろ。あいつは、しなくていい無理をし過ぎたって。｣

岩｢っ…｣

現状、翔太の声は失われてしまっているし、そんな状態で芸能活動を続ける事なんて出来る訳ない。

そう、分かっているから…

俺らは何も言い返せないんだ。

真っ直ぐ過ぎる、その正論に。

けれど、そこに異議を唱えた一人がいて…

それは、誰よりも翔太を心配して誰よりも傍にいた、幼馴染の舘さんだった。