止まない雨はないから。[青] -2nd- (ページ29)

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74話ページ29

-宮舘side-

宮｢ふぅ…よし。｣

少しの気疲れを感じつつ、辛うじて取れた2時間程の睡眠を有難いと思う事にして、ベッドから抜け出す。

多少重たい体は無視してシャワーを浴び、朝食も簡単に済ませて仕事に向かう準備をしていると…

マネージャーから、マンションの下に着いたとの連絡が。

クラッチバッグにつば広ハットを装備し、マスクの中で眠気の覚めきらない欠伸を噛み砕きながら、皆の前では切り替えないとと両頬を叩いて家を出る。

雨が降っていようとも、この時期には少し暑いブーツの踵を鳴らしながら歩き、エントランスを出てすぐ目の前の路肩に止まる送迎車に乗り込めば…

ドアを開けるなり、既に車内にいた年下組が勢い良く飛び付いてきた。

宮｢うぉ、ビックリした。｣

目｢舘さん、しょっぴーはっ？｣

ラ｢僕、夜中寝てたから朝メッセージ見て、心臓が止まるかと思ってっ…！｣

向｢舘はずっと病院おったんっ？｣

阿｢マネージャーも焦ってるのか届くメールが誤字だらけでさ、詳しい事も何も教えてくれないし！｣

後ろの席の目黒とラウール、真ん中の席の康二と阿部からも質問攻め。

でも、阿部って年下組の括りでいいんだったっけ？なんて思っていたら…

緊急手術ってどういう事？とか、翔太の具合は？とか、昨日グループチャットで話し切れなかった事を次々と羅列されていく。

宮｢いや、あのね…｣

つい圧倒されて話し出せずにいたものの、取り敢えず一呼吸空いた瞬間を狙って手術が無事に済んだ事を報告する。

そしたら、3人共ﾎｯとしたように息を吐いて落ち着いてくれて…

そこからの話は、ゆっくり聞いてもらう事が出来た。

そんなこんなで、撮影場所である事務所に着き…

控え室でメイクなり何なりと準備を進めている内に、いつの間にか全員集合。

しかし、いざ撮影が始まれば翔太が不在という事実が大きく、8人皆がイマイチ調子が出ていない様に見えた。