止まない雨はないから。[青] -2nd- (ページ23)

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68話ページ23

-宮舘side-

宮｢はい…はい…すみません、お願いします。｣

翔太のお母さんとの電話を終え、束の間に胸を撫で下ろす。

結果的に寝ていた所を叩き起こす形になってしまったものの、事情を話せば直ぐに理解してくれた。

息子である翔太の体調を酷く心配しながらも、江戸川区のお家から病院まで車で45分程度との事なので、ご両親揃って向かってくれるそう。

…とは言え、ﾎｯとしてばかりはいられない。

こっちから連絡をしておいて丸投げという訳にもいかないし、何よりご両親と同じくらい俺も翔太が心配だから行かなければ。

宮｢あれ、家の鍵どこに置いたっけ…って、何でテレビのリモコン持ってるんだろ。｣

よりにもよってこんな時に発動する自分のすっとこどっこい加減にはウンザリしつつ、素早く準備を済ませて家を出る。

車は運転免許を持っていないし、電車は既に終電を過ぎているから…

わざわざ徒歩で最寄り駅前まで行ってタクシーを捕まえ、その車中でマネージャーに上手く事が運んだ旨を報告。

それに次いで、マネージャーから話を聞いたらしいメンバーが深夜に活動させていて、先程から通知の鳴り止まないグループチャットにも一言返信を入れて…

今日も仕事があるんだから寝ていてくれと最後に送ってから、未だ新着メッセージが届き続ける画面を閉じた。

まぁ、翔太の事が気になって眠れないだろうし、無理を言っているとは重々承知の上だけどね。

そんな事をしている内に、窓の外は見覚えのある景色。

病院の夜間入口の前に着いてタクシーを降り、数時間前より静けさを増した建物内に入れば他に人の気配は無い。

お陰で、直ぐに翔太のご両親と合流できた。

父｢涼太くん、こんな時間に付き合わせて本当に申し訳ない…｣

宮｢いえ、僕が来たくて来ただけですから。｣