止まない雨はないから。[青] -2nd- (ページ22)

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67話ページ22

-宮舘side-

マネ《翔太くん、体質的に抗生剤の点滴が効かなかったそうなんです。》

宮｢え…？｣

マネ《扁桃腺の炎症と喉頭の浮腫が酷く、とても気道を確保できる状態ではなくて、このままだと窒息死する恐れもあると…》

宮｢っ…！｣

【窒息死】その一言に、背筋が凍る様な錯覚を起こす。

柄にもなく冷静さを欠いて、思わず呆然としてしまった所で我に返らせてくれたのは、電話口から何度と呼び掛けるマネージャーの声。

自分も余裕が無い筈なのに、その震え声で気遣ってくれて…

俺もしっかりしなきゃと気を持ち直した。

途中で止めてしまっただけで、マネージャーの話には続きがある。

改善法が全く無い訳じゃない。

…ただ、それには問題が山積みだった。

宮｢気管、切開…？｣

マネ《はい、それしかないそうなのですが…》

気管切開と言えば、その名の通り気管に穴を開けて、そこから呼吸できるようにする方法。

しかし、翔太本人が喉に穴を開ける事を嫌がっており、手術が出来ない状況。

けれど、放っておけば命の危険もあるので、家族の了承を得て直ぐにでも手術を受けさせたい。

そこで、翔太の幼馴染である俺なら家族の連絡先を知っているのではないかという事で、真っ先に俺に連絡が来たらしい。

幸いにも、翔太のお母さんとは今でもレシピを交換したりする仲なので、スマホに電話番号がある。

宮｢…よし、わかった。｣

マネ《本当ですか？》

宮｢うん。｣

"翔太の為だもん､どうにかしてみるよ"と電話の向こうの彼へ伝えれば、少しばかり安心したような声色。

だから、任せてくれなんて大口を叩いて翔太の命運を預かり、マネージャーとの通話を切ると…

深夜で申し訳ないとは思いつつ、翔太のお母さんにコンタクトを取った。