止まない雨はないから。[青] -2nd- (ページ13)

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58話ページ13

-宮舘side-

看｢何かありましたら、ナースコールでお知らせ下さい。｣

宮｢はい。お世話様です。｣

あれから、病院に到着して暫く。

芸能人だからと用意して頂いた、個室の真っ白なベッドの上。

苦しくならない様にと横向きに寝かされ、胎児を彷彿とさせる体勢で眠る翔太の腕からは細い管が伸びる。

その先にあるのは、4つもの点滴パック。

栄養剤に脱水症状を緩和させる輸液、それから痛み止めと吐き気止め。

かなりの高熱もあったせいで、頬と額は熱を帯びているのに…

俺の掌に収まる細い指先は、貧血と低血圧で冷え切っていて氷のよう。

とは言え、落ち着いて眠れているという事実は、かなり大きなものだった。

宮｢はぁ…｣

それなのに意識せず出た溜め息は…

疲弊半分、安堵半分。

…診察中は色々と酷かったから。

扁桃の炎症が広がり過ぎて口を開けられない上に、耳まで痛すぎて泣くし…

先生には何でもっと早く受診しなかったのかと叱られた。

体が辛いのに検査に連れて行かれるからってﾔﾀﾞﾔﾀﾞして、俺の居ない所で駄々を捏ねたりもしたみたい。

渡｢ｯ…ぅ…んん…｣

宮｢…ゆっくりお休み。｣

でもまぁ、そんな最悪な体調が比例してるって事だから特に何も言えず…

こうして、疲れ切って酸素マスクをしながら眠っている彼の頭を撫でるしかないのだけれど。

でも、そうして静かな時間を過ごす寸刻後、唐突にノックされる病室の扉。

ベッドで眠る彼を起こさない程度の声の大きさで返事をすると…

入ってきたのは、さっき翔太を診察して下さった女医さん。

少々お時間宜しいですか？と、翔太の体の事で話があるらしく、"渡辺さんは看護師にお任せ下さい"なんて言葉に頷き、マネージャーと共に女医さんについて行けば…

辿り着いたのは、医療ドラマ等でよく見る部屋だった。