止まない雨はないから。[青] -2nd- (ページ2)

今日:8 hit、昨日:38 hit、合計:302,697 hit

47話ページ2

-阿部side-

佐｢阿部ちゃん、おはよーっ！何か久し振りー！｣

阿｢ふふ、2日前に会ったけどね。おはよう佐久間。｣

今日はバラエティ番組のゲストで、珍しいメンバー3人で街ブラロケ。

美味しい物を沢山食べるらしくて、俺と佐久間は数日前から楽しみにしてたりして。

でも、そんな俺らとは対照的に、やけに静かな一人が凄く気になる。

いや、思えば可笑しいのは今日だけじゃない。

最近、まともに聞いてない気がするから。

翔太の声を。

阿｢翔太？おはよう。｣

渡｢ん、はよ…｣

話し掛ければ辛うじて返事をするけど、極力短く苦しそうに。

まるで喋りたくないって言うみたいで、元気一杯の通常運転な佐久間とのギャップが凄い。

もしかして風邪が治ってないのかもとは思うものの、彼此一ヶ月は前の話だし…

また別の体調不良かな。

翔太は昔から体が強くないし、疲労の蓄積には過敏に反応しちゃうタイプだから。

まぁ、それにしても今回は酷いけれど。

阿｢翔太…って、寝ちゃったのか。｣

佐｢およ？翔太まだ具合悪いの？｣

自分のソロ仕事が続いて、会うのが数日振りの今日。

久々に顔を合わせたにも関わらず、超小声で一言二言を交わした後、俺らと距離を取る様にロケバスの端の席で目を閉じてる。

例の感染予防の為にマスクをしてるとは言え、覆われていない僅かな面積だけでも顕著な窶れた顔。

ただでさえ細いのに更に痩せちゃってるし、これで心配すんなって方が無理あるよ。

なんて、隣に座る佐久間に目配せして、様子伺いにこっそりと近付けば…

どうやら、寝てる訳ではなかったみたい。