止まない雨はないから。[青] -2nd- (ページ1)

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46話ページ1

-渡辺side-

渡｢ﾊｧｯ…ﾊｧ…っ…ｺﾎｯ…｣

熱がぶり返した。

低ければ38度いくかどうか位。

高ければ38度5分オーバー。

折角治って微熱になったのにと肩を落としながら、昼間はいつもの鎮痛剤で喉の痛みと纏めて解熱して誤魔化す日々。

でも、誤魔化し切れずに照や涼太やふっか辺りには完全にバレてる様な気がする。

少し前までは様子を伺ってる程度だったのが、実際に探りを入れてくるようになった。

康二や佐久間やラウールがここの所やたらと引っ付いて来るのも、多分俺の体温を知りたいから。

目黒は過干渉して来ないものの、しれっと俺の近くにのど飴を置いて帰ったり、遠巻きから心配そうに見てきたり。

阿部は…あいつ俺より忙しいし、最近話してないかも。

渡｢っ…ｹﾎｯ……はぁ…もう…｣

本音を言うと、この体調にも自分自身にもウンザリだ。

楽屋でも稽古場でも、無意識の内に溜め息を吐いちゃうし…

それが原因でスタッフさんや関係者の皆さんからいい顔をされないのも、理解してるつもり。

滝沢歌舞伎の稽古中には、短く挟まれる休憩の度に部屋の隅に寄って膝を抱えて…

自分の殻に閉じ篭って、こちらでも完全に感じ悪い奴。

まだ盛大に何かをやらかしてはいないのが、唯一の救いだ。

宮｢翔太、ここ座りな？｣

佐｢お水飲む？佐久間さんの開けてないからあげる！｣

向｢しょった、何か体熱ない？｣

何はともあれ、こんなあからさまなら正直に言っちまえばって思いつつも…

心配されればされる程に素直になれなくなるのが、俺の悪い所。

だからまだ誰にも言えないまんま、今日も家に帰って辛さに耐えるんだ。

せめて夜はぐっすり眠れればいいなって早めにベッドに入っても、毎日の様に吐き気に起こされる。

でも、喉が痛むから戻すのを必死に我慢して。

その結果、寝不足になって常に血圧は低い状態だし…

挙句の果てには立ちくらみやら目眩までするようになって、本当に嫌になる。

薬の飲み過ぎが原因の胃痛も酷いし、そろそろ病院に行った方がいいかな。

なんて、そんな時間取れないけどさ。