6話 ページ7
-深澤side-
照の車に乗り込んで、病院に向かう。
康二は後部座席で背凭れを倒して横になってて、俺の隣で未だ目を覚まさない。
少し離れてるにも関わらず康二の体から感じる熱は尋常じゃなくて、心配で思わずジッと見つめてたら…
その視線が痛かったのかユルユルと瞼が動いて、水分を多く含んだ虚ろな瞳が俺を見上げる。
深「ごめんな、起こしちゃったな。」
向「ハァッ…ハァ…ふっか…さん…?…ここ、どこ…?」
深「照の車だよ。病院着くまでまだかかるから、もうちょっと寝てな?」
酔ったら辛いしと思ってそう言ったけど、康二は急にフルフルと首を横に振って、一気に目に涙が溜まる。
途端にポロポロ溢れ出すから、どうしたのかと服の袖で拭ってやったら、"病院嫌や"なんて声を震わせて俺の肩に顔を埋めてしまった。
38.9℃の高熱で、しかも前からかなり長引いてるなら病院に連れて行きたいけど…
息を荒くしながらも弱々しく拒否るもんだから、これは困った。
岩「ふっか、どうした?」
深「康二が病院嫌だって泣き始めちゃって…どうしよ。」
岩「あー、そういや子供の時にした筋注がトラウマで病院嫌いだって言ってたっけ。」
深「そーなの?」
幼少期のトラウマなら仕方ないか。
これだけ泣きながら嫌がるって相当だし。
これ以上泣かせたら更に熱が上がりかねないし、本人も辛い筈だから、運転席の照に伝えて行き先変更。
とりあえず病院は諦めて、直帰してまずは家のベッドで休ませてやる事にした。
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和音(プロフ) - ほのかさん» 初めまして。コメントありがとうございます!そう言って頂けて、とても嬉しいです(^^)まだまだ稚拙な文章ではありますが、引き続きお付き合い頂ければ幸いです(^^) (2020年5月19日 18時) (レス) id: eff15bf988 (このIDを非表示/違反報告)
ほのか(プロフ) - 初めてコメントさせていただきます。この占ツクでたくさんの作品を読ませていただいてるのですが、主様の作品が今1番更新されて嬉しい作品です!!すごく大好きです!これからも楽しみにしています^ ^ (2020年5月19日 14時) (レス) id: 8996cfb164 (このIDを非表示/違反報告)
和音(プロフ) - ゆうさん» コメント並びに、嬉しいお言葉をありがとうございます!まだまだ序盤ではありますが、引き続きお付き合い頂ければ幸いです(^^) (2020年5月17日 22時) (レス) id: eff15bf988 (このIDを非表示/違反報告)
ゆう(プロフ) - めっちゃ引き込まれました!更新楽しみにしています!頑張ってください! (2020年5月17日 20時) (レス) id: a893233080 (このIDを非表示/違反報告)
和音(プロフ) - ぴぴたんさん» 初めまして。コメントありがとうございます!そう言って頂けて嬉しい限りです(^^)まだまだ始まったばかりで先は長いですが、引き続きこの作品を宜しくお願い致します(^^) (2020年5月15日 23時) (レス) id: eff15bf988 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:和音 | 作成日時:2020年5月10日 19時