1話 ページ2
-向井side-
全ての発端は、デビューしてから数ヶ月が経った日の事やった。
次々と決まる仕事に忙しい毎日。
気持ちの面では嬉しさが勝ってたものの、体はいつの間にか疲弊してたんか、久しぶりの丸一日オフの日に被るようにして体調を崩してもうた俺。
向「ハァッ…もう…何っ…」
朝起きてすぐに感じた異様な感覚に、どうにかベッドから這い出てリビングに向かい、体温を測ってみれば、表示されたのは38.8℃という高い数字。
こんな熱、大人じゃ中々出せへんぞ…
なんて溜め息を吐きながら、もうベッドに戻る事さえ億劫に感じて、近くのソファに沈み込む。
顔は熱いのに体は寒くて仕方なくて、背凭れに掛けてあったブランケットを広げて包まるけど、幾らもマシにはならへんくて、カタカタと小刻みに震える体。
あまりに急な体調不良に、どないしようかって熱でボーッとする頭で考えてたら…
ソファの前のローテーブルに置きっ放しやったスマホがバイブ音を鳴らして、着信を知らせる。
向「ハァ…ハァッ…ん…ッ…めめ…っ…?」
力の入りづらい手で掴んで画面を見てみたら、高熱でぼんやりとする視界の中でも確認できた【目黒蓮】の文字。
そう言えば今日、一緒に映画を観に行く約束をしてたって思い出して、応答の緑のマークを押して耳に当てるけど…
自分の口から出た声があまりにも弱々しくて、少し笑ってしまいそうになったのは、熱で可笑しくなってるからやろうか。
向「ハァ…めめ、ごめ……おれ、ねつ出てもーて…っ…ハァッ…」
目《えっ、熱?大丈夫なの?》
向「ッ…ちょっとな、しんどい…ハァッ…たいおんけい…さんじゅうはちどはちぶ、って…」
目《はぁっ!?8度8分!?》
めめの大きい声が耳に響く。
けど、もう何だか体力も限界で、めめが何か言うてるのにも返事出来ひんと、スマホが手から滑り落ちる。
意識を失ったのか、それとも寝落ちたのかは分からへんけど…
次に目を覚ましたら、目の前には心配顔のめめが居った。
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和音(プロフ) - ほのかさん» 初めまして。コメントありがとうございます!そう言って頂けて、とても嬉しいです(^^)まだまだ稚拙な文章ではありますが、引き続きお付き合い頂ければ幸いです(^^) (2020年5月19日 18時) (レス) id: eff15bf988 (このIDを非表示/違反報告)
ほのか(プロフ) - 初めてコメントさせていただきます。この占ツクでたくさんの作品を読ませていただいてるのですが、主様の作品が今1番更新されて嬉しい作品です!!すごく大好きです!これからも楽しみにしています^ ^ (2020年5月19日 14時) (レス) id: 8996cfb164 (このIDを非表示/違反報告)
和音(プロフ) - ゆうさん» コメント並びに、嬉しいお言葉をありがとうございます!まだまだ序盤ではありますが、引き続きお付き合い頂ければ幸いです(^^) (2020年5月17日 22時) (レス) id: eff15bf988 (このIDを非表示/違反報告)
ゆう(プロフ) - めっちゃ引き込まれました!更新楽しみにしています!頑張ってください! (2020年5月17日 20時) (レス) id: a893233080 (このIDを非表示/違反報告)
和音(プロフ) - ぴぴたんさん» 初めまして。コメントありがとうございます!そう言って頂けて嬉しい限りです(^^)まだまだ始まったばかりで先は長いですが、引き続きこの作品を宜しくお願い致します(^^) (2020年5月15日 23時) (レス) id: eff15bf988 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:和音 | 作成日時:2020年5月10日 19時