20話 ページ21
-阿部side-
まだ仮とはいえ、康二に病名が付いた。
【突発性難聴】というらしい。
詳しい検査は後日とか、色々話をして下さった先生がいなくなっても、俺達は未だ現実を受け止めきれないまま。
目黒は康二の傍で涙を堪える様に下を向いたきり、顔を上げなくなった。
多分、気づかなかった事に責任を感じてるんだろうな。
最初に康二の発熱を知って、看病したのは目黒。
その時、一刻も早く病院に連れて行って熱を下げてやれば…って。
勿論、突発性難聴になったのは高熱が原因じゃないかもしれないし、聴力だって戻るかもしれない。
でも、自分を責めなければ他の何かに感情をぶつけそうになる。
それは俺も同じで、強く共感する意思を込めて目黒の頭を撫でたら…
その掌に握られた康二の手にパタパタと水滴が落ちて、いつもは男らしい背中が小刻みに震えた。
目「っ…ひッ…グスッ…っ…康二ッ…」
目黒の泣いてる姿は初めて見たかもしれない。
それだけ、普段から気を強く持って芯がしっかりとした熱い奴だから。
でも、今は泣いた方が目黒の心の為になる。
そう思って、敢えて言葉は掛けずに背中を摩ってたら、急に上着のポケットの中でバイブするスマホ。
画面を確認してみれば、ふっかからのメッセージで、6人が病院に到着したとの事。
阿「目黒、ここ任せてもいい?ふっか達来たから説明してくる。」
目「ッ…ん。」
流石にこの処置室に全員入っては迷惑だろうから、俺が6人の方に行こうと立ち上がる。
泣き顔を見られたくないのか、顔を上げずに静かに頷いた目黒に康二を任せ、処置室を出てメッセージに記された場所を探して歩くと…
裏口近くの人気のない待合室の椅子に座る、見た目厳つめの6人組を見つけて、声を掛けた。
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和音(プロフ) - ほのかさん» 初めまして。コメントありがとうございます!そう言って頂けて、とても嬉しいです(^^)まだまだ稚拙な文章ではありますが、引き続きお付き合い頂ければ幸いです(^^) (2020年5月19日 18時) (レス) id: eff15bf988 (このIDを非表示/違反報告)
ほのか(プロフ) - 初めてコメントさせていただきます。この占ツクでたくさんの作品を読ませていただいてるのですが、主様の作品が今1番更新されて嬉しい作品です!!すごく大好きです!これからも楽しみにしています^ ^ (2020年5月19日 14時) (レス) id: 8996cfb164 (このIDを非表示/違反報告)
和音(プロフ) - ゆうさん» コメント並びに、嬉しいお言葉をありがとうございます!まだまだ序盤ではありますが、引き続きお付き合い頂ければ幸いです(^^) (2020年5月17日 22時) (レス) id: eff15bf988 (このIDを非表示/違反報告)
ゆう(プロフ) - めっちゃ引き込まれました!更新楽しみにしています!頑張ってください! (2020年5月17日 20時) (レス) id: a893233080 (このIDを非表示/違反報告)
和音(プロフ) - ぴぴたんさん» 初めまして。コメントありがとうございます!そう言って頂けて嬉しい限りです(^^)まだまだ始まったばかりで先は長いですが、引き続きこの作品を宜しくお願い致します(^^) (2020年5月15日 23時) (レス) id: eff15bf988 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:和音 | 作成日時:2020年5月10日 19時