story＊217 ページ22
室｢…分かった。ホンマに再生能力を消してええんやな？もう二度と元には戻らんよ？｣
中｢ええ。片腕だけやし、薬の完成を確かめる為や。…やって。｣
これが…ホンマの最終実験。
消滅薬を俺の体に投与して、安全性と効果を確認する最後の関門。
これで失敗すれば全てがパー…どころか、中途半端に能力が消えて自分の体に悪い影響が出る可能性すらある。
けど、俺は自分が導き出した答えを信じてるから…
注射器を持った龍太に左腕を差し出し、少しの緊張を振り払う様に目を閉じた。
中｢っ…｣
ﾁｸｯとした僅かな痛みを感じて唾を飲み込むと、それとほぼ同時に聞こえた龍太の "終わったで" という声。
それを聞いて、ゆっくりと目を開けたら…
中｢うわっ…！｣
途端に左腕の内部から黄金色の光が漏れ出して…
何かとまでは分からん力の塊が、どこかへ消え去った気がした。
ホンマに能力が消滅したのか、確認の為に手近にあったカッターで手首から離れた場所を切ってみれば、再生する筈の傷はそのままに、血がｼﾞﾜｼﾞﾜと滲む。
ﾋﾟﾘﾋﾟﾘと痛みが続くその感覚は久し振りで、たった1年くらい前の事やのに、妙に懐かしく感じた。
室｢あぁ、もう…確認の為とはいえ自分の腕切るなや…体がやめてって泣いてるて。ほら、腕見して。包帯巻くから。｣
中｢はいはい。｣
龍太にガーゼと包帯を巻いてもらってる間、俺は松野に消滅薬を小分けにしてバイアルに入れるよう指示して、左腕の処置が終わった瞬間に椅子から立ち上がる。
そして足早に倉庫から薬品用ショルダーツールケースを持ってくると、松野が移してくれた消滅薬のバイアル瓶を中に詰め込み、肩にかけた。
中｢よし、龍太行くで。｣
室｢あぁ。｣
命より大切な…って言うたら大袈裟かもしらんけど、消滅薬が入ったツールケースを大事に抱えて、医療キットを身に着けた龍太と共に研究室を出る。
俺も龍太も、腰元には銃…王宮に行くのは命懸けや。
それでも、王女様と俺達能力者の未来の為…
このEAST帝国との争いを終わらせる為…
俺達は能力研究所を離れ、龍太の車で太陽特区の王宮へと向かった。
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ぷにぷに部部長@狐瑠璃(プロフ) - 和音さん» もうどんどん行っちゃってください！もちろん完結まで絶対読みます！vol.6.7に収まらなくても、10でも20でも付いて行きます！！ (2020年3月2日 16時) (
レス) id: 37843f0dfb (このIDを非表示/違反報告)
和音(プロフ) - ぷにぷに部部長さん» 再びのコメント、並びに応援ありがとうございます(^^)予定よりかなり長くなってきてしまったので、vol.6かvol.7までに収まるといいなと思っている所ですが、完結までお付き合い頂けると嬉しいです。これからもこの小説をよろしくお願いします(^^) (2020年3月1日 18時) (レス) id: eff15bf988 (このIDを非表示/違反報告)
ぷにぷに部部長 - ついにvol.5まで来ましたね！毎日更新楽しみにしてます！これからも頑張ってください！ (2020年2月28日 17時) (レス) id: 37843f0dfb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：和音
| 作成日時：2020年2月27日 15時
