story＊152 ページ7
(1時間後)
浜｢到着しました。風第3地区一丁目一番です。｣
桐｢ん、了解。降りるで。｣
浜｢はい。｣
扉を開けて、真っ黒な本革製のブーツの高い踵を鳴らして車を降りる。
長いこと座ってたせいで出来たナポレオンコートの皺を払いながら辺りを見回すと、そこは海の見える船着場近く。
遠くの方に目を向ければ、海水浴場やホテルも見える。
桐｢船が固定されてるから多分もう漁はしてへんけど、だからと言って皆避難できてるとは思えへん。…向こうに住宅街が見えるから回ってみよ。｣
浜｢はい、団長様。｣
桐｢…って言うても、こっからはこの大型車じゃ入ってけへんから…徒歩？
まぁ、ええダイエットにはなりそうやけど…バイク待ってくりゃよかった。｣
ﾊｧ…なんて深く溜め息を吐いてｼﾞｯと専用移動車を見詰めてみるけど…ちっちゃなったりせんから、通れへんもんは通れへん。
仕方なく車を置いて歩く事にして、住宅街の方へと向かう。
…でも、ふと横を見ると浜中が付いて来てへん事に気付いて、後ろを振り返ったら…
スマホの画面を見てた顔を上げて駆け寄ってきて、それを俺に見せた。
浜｢バイクではないですが、ロードバイクでしたら近くにシェアサイクルステーションがありますよ！｣
桐｢おぉっ！ええやん！…ま、今時どこ行ってもあるもんな、シェアサイクル。よっしゃ、行こ。｣
浜｢はい、ご案内します。｣
スマホのマップを見ながら歩く浜中に付いて、海沿いの一本道を進む。
"近く"って言葉の通り、1分ちょっと歩いただけでサイクルステーションは見つけてんけど…何故か置いてある自転車が極端に少なくて、ロードバイクは5台。
扱いやすいママチャリに至っては1台も残ってへんくて、ただ大量のスタンドが並んでるだけ。
桐｢何コレ…どういう事や？｣
浜｢うーん…あっ、団長様、あそこに人がいます。聞いてみましょう。｣
桐｢あ、あぁ…｣
残り僅かのロードバイクの前でスマホを操作してる若者2人が見えて、話を聞こうと近付くと…その内の一人と目が合って、彼は不思議そうな顔をしながらﾍﾟｺｯと会釈した。
…多分、俺が着てる高官の制服を初めて見たからやろうけど。
[お役人様…ですか？]
桐｢あぁ。太陽特区から来た、王立騎士団長の桐山や。｣
制服の二の腕辺りに付いてる赤い腕章を見せたら、どうやら本物やって信じてくれたらしい。
…ほな、話を聞かせてもらうで。
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和音(プロフ) - ぷにぷに部部長さん» コメントありがとうございます。SF系の漫画をよく読むので、そちらに作風が寄ってしまうのかなと思いつつ、美しいというお言葉を頂けた事に驚きと共に嬉しい気持ちでいっぱいです(^^)至らない所も多々あるかと思いますが、これからも読んで頂けると嬉しいです(^^) (2020年2月21日 22時) (
レス) id: eff15bf988 (このIDを非表示/違反報告)
ぷにぷに部部長 - ローゼンボーイズの方も、vol.1からずっと読んでいます！和音様の世界観は、あんまり上手く言えないんですけど、なんかきらきら、ふわふわしてて、人一人の設定や、小物（？）の名前などが凄く凝っていて、一つ一つが美しいような感じです！ (2020年2月21日 19時) (レス) id: 37843f0dfb (このIDを非表示/違反報告)
ぷにぷに部部長 - はじめまして、第1章の頃から、愛読させていただいてます！一話読む度に、どんどん和音様の世界観に引き込まれていきます！初めからワクワク、ドキドキ？笑が止まりません！！更新頑張ってください！ (2020年2月21日 18時) (レス) id: 37843f0dfb (このIDを非表示/違反報告)
ゆず(は)(プロフ) - 和音さん» 和音さんの表現の仕方や細かい設定、言葉遣いがとても惹かれて更新楽しみにする日々です！長編を書くのは根気がいるのでとても大変だとは思いますが、陰ながら応援しております。 (2020年2月19日 10時) (レス) id: 72b049040e (このIDを非表示/違反報告)
和音(プロフ) - ゆず(は)さん» 初めまして。コメントありがとうございます。シリーズ物の長編小説ばかり書いているので、飽きられていないかな...と心配でしたが、そう言って頂けて嬉しいです(^^)お話はまだまだ続きますが、引き続きこの小説を宜しくお願いします(^^) (2020年2月17日 17時) (レス) id: eff15bf988 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：和音
| 作成日時：2020年2月15日 10時
