story*184 ページ39
小「えっ…」
その意味は容易に想像出来るけど、俺達にとってホンマに嬉しいお言葉やけど、まさかそんな事を仰って頂けるとは思ってへんくて…
驚いて何も反応出来ひんかった俺を見て、王様は伝わらんかったと誤解をされたのか一つ息を吐き、政務の手を止めて少し照れ臭そうに"こちらへ来なさい"と俺をお呼びになった。
横「俺がここから逃げる事を選ばんかったのは、強く頼れるお前達が傍で守ってくれる。必ず勝ってくれると信じられる。
…そう、思ったからや。」
小「王様…」
横「それに娘を置いて逃げる事なんて、出来ひんかったしな。
しかも自分でEAST帝国に喧嘩を売っておいて、しっぽ巻いて逃げるなんて無責任やん。そんなんダサいやん。なぁ?ははっ。」
あっけらかんと笑い、戦うことを選び、逃げる事なく帝国に立ち向かう。
そのお姿を見て、お言葉を聞いて…妙に腑に落ちたんや。
こんな事、執事の俺が言うなんておこがましいとは思うけど…
王様が王様で在られるという事に、1つの国のトップに君臨する国王という地位にこのお方が就いている所以に…心の底から納得した。
────────────────────
*二宮side*
今日、我々EAST帝国の軍がWEST王国に乗り込んで、陽葵王女を掻っ攫う日。
…でも僕は、いつも通り帝国で一番高い所にある部屋で、今日も今日とてゲームに興じていた。
誰も居ない静かな空間で、ガラス製のスクリーンに投影したテレビゲームのコントローラーを握っていると、僕の楽しい時間を遮る様に聞こえた部屋のドアをノックする音。
中々いい所だったから、少し苛立ちながらポーズを押してそちらを見たら…
やって来たのは媚びへつらってくる臣下でも、鬱陶しく纏わり付いてくる側室でもなく、僕の事を何でも分かってくれる大事な側近の翔ちゃんだったみたい。
二「あ、ごめんね翔ちゃん。怒ってるわけじゃないの。」
苛立った事を悪く思いつつ、"翔ちゃんも一緒にゲームする?"と首を傾げる。
けど、真面目な彼が仕事中にゲームをする事に同意する事はなくて、仕方無くまた一人プレイモードでやろうかとポーズを解除しようとすると…
直ぐ傍まで来た翔ちゃんが、"ご報告があります"なんて頭を下げた。
二「報告…って何?WESTとの事?」
櫻「はい。相葉親衛隊副長より、住人が一人も見当たらないとの事です。それ故に、捕虜の確保は難航しているとか。」
二「…はっ?」
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和音(プロフ) - ぷにぷに部部長さん» コメントありがとうございます。SF系の漫画をよく読むので、そちらに作風が寄ってしまうのかなと思いつつ、美しいというお言葉を頂けた事に驚きと共に嬉しい気持ちでいっぱいです(^^)至らない所も多々あるかと思いますが、これからも読んで頂けると嬉しいです(^^) (2020年2月21日 22時) (レス) id: eff15bf988 (このIDを非表示/違反報告)
ぷにぷに部部長 - ローゼンボーイズの方も、vol.1からずっと読んでいます!和音様の世界観は、あんまり上手く言えないんですけど、なんかきらきら、ふわふわしてて、人一人の設定や、小物(?)の名前などが凄く凝っていて、一つ一つが美しいような感じです! (2020年2月21日 19時) (レス) id: 37843f0dfb (このIDを非表示/違反報告)
ぷにぷに部部長 - はじめまして、第1章の頃から、愛読させていただいてます!一話読む度に、どんどん和音様の世界観に引き込まれていきます!初めからワクワク、ドキドキ?笑が止まりません!!更新頑張ってください! (2020年2月21日 18時) (レス) id: 37843f0dfb (このIDを非表示/違反報告)
ゆず(は)(プロフ) - 和音さん» 和音さんの表現の仕方や細かい設定、言葉遣いがとても惹かれて更新楽しみにする日々です!長編を書くのは根気がいるのでとても大変だとは思いますが、陰ながら応援しております。 (2020年2月19日 10時) (レス) id: 72b049040e (このIDを非表示/違反報告)
和音(プロフ) - ゆず(は)さん» 初めまして。コメントありがとうございます。シリーズ物の長編小説ばかり書いているので、飽きられていないかな...と心配でしたが、そう言って頂けて嬉しいです(^^)お話はまだまだ続きますが、引き続きこの小説を宜しくお願いします(^^) (2020年2月17日 17時) (レス) id: eff15bf988 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:和音 | 作成日時:2020年2月15日 10時