story＊169 ページ24
＊神山side＊
王様の仰られたEAST帝国軍の襲来予想日まで、あと4日。
全てが決まったあの朝廷会議の日から、6日が経った今日。
早朝6時の王宮8階の廊下を、足早に歩く俺。
…5時から働いてるし、朝の雑務もとっくに終わってるのに何をそないに急いでんのって思うかもしれへんけど、これにはれっきとした理由がある。
神｢はぁ…これで何日目やろ…｣
小さく溜め息を吐きつつ、やっと辿り着いたお部屋の扉をｺﾝｺﾝｯと数回ノックしてから静かに開き、まだ薄暗い部屋の中へと足を踏み入れる。
すると、明かりが点いたままのベッド脇のランプに照らされた相棒の横顔が、俺の足音でこっちを向いて…ﾌｯと小さく手を挙げた。
神｢お疲れ、しげ。…陽葵様どう？｣
重｢…あかんわ。眠って起きてを繰り返して、結局寝られたんは実質3時間くらい。｣
神｢そっか…分かった。陽葵様は俺に任せて、しげは一旦自分の部屋戻り。1時間でも30分でも寝な、体持たへんよ。｣
重｢ん、そうするわ。…ほな、あとお願いな。神ちゃん。｣
多分一睡もしてへんやろう顔色で、ﾋﾗﾋﾗとこっちに手を振りながら部屋から出て行くしげを見送って、昨日の俺もあんな感じやったなぁ…なんて思いつつ、天蓋付きのクイーンベッドの方へと近寄って、さっきまでしげが座ってた椅子に腰掛ける。
ベッドの上で毛布に包まって、小刻みに震える小さなお背中にそっと触れると…
一瞬ﾋﾞｸｯと肩が跳ねた後ゆっくりと蒼白なお顔がこちらに向いて、涙を堪える様にｷﾞｭｯと唇を結ばれた陽葵様が、俺の方に勢い良く抱き着いてこられた。
陽｢っ…ともｯ…｣
神｢また、眠れなかったのですね…隈がこんなに…｣
陽｢ｯうん…｣
彼此1週間にもなる、陽葵様の不眠の原因…考えられるのは一つしかなくて、顰めそうになった顔を慌てて元に戻した。
あれから発熱してへんとは言え、EAST帝国に狙われるなんて恐怖大人でも耐え難いのに、幼い陽葵様にはキャパシティを遥かに超える重荷でしかなくて…
眠ることはおろか食事もまともに摂れなくなり、遊ぶ元気すら失くされたんか、最近はお部屋に閉じ籠りっぱなし。
…せやけど、王様は国の大事が故にご多忙で陽葵様にはお会いになれず、最後にお2人が顔を合わせられたのは、王様がまだ時間に多少の余裕があった3日前。
お父様にお会い出来ひん事で陽葵様は更に精神的に不安定になられとって、俺もしげも心配で仕方ないねん。
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和音(プロフ) - ぷにぷに部部長さん» コメントありがとうございます。SF系の漫画をよく読むので、そちらに作風が寄ってしまうのかなと思いつつ、美しいというお言葉を頂けた事に驚きと共に嬉しい気持ちでいっぱいです(^^)至らない所も多々あるかと思いますが、これからも読んで頂けると嬉しいです(^^) (2020年2月21日 22時) (
レス) id: eff15bf988 (このIDを非表示/違反報告)
ぷにぷに部部長 - ローゼンボーイズの方も、vol.1からずっと読んでいます！和音様の世界観は、あんまり上手く言えないんですけど、なんかきらきら、ふわふわしてて、人一人の設定や、小物（？）の名前などが凄く凝っていて、一つ一つが美しいような感じです！ (2020年2月21日 19時) (レス) id: 37843f0dfb (このIDを非表示/違反報告)
ぷにぷに部部長 - はじめまして、第1章の頃から、愛読させていただいてます！一話読む度に、どんどん和音様の世界観に引き込まれていきます！初めからワクワク、ドキドキ？笑が止まりません！！更新頑張ってください！ (2020年2月21日 18時) (レス) id: 37843f0dfb (このIDを非表示/違反報告)
ゆず(は)(プロフ) - 和音さん» 和音さんの表現の仕方や細かい設定、言葉遣いがとても惹かれて更新楽しみにする日々です！長編を書くのは根気がいるのでとても大変だとは思いますが、陰ながら応援しております。 (2020年2月19日 10時) (レス) id: 72b049040e (このIDを非表示/違反報告)
和音(プロフ) - ゆず(は)さん» 初めまして。コメントありがとうございます。シリーズ物の長編小説ばかり書いているので、飽きられていないかな...と心配でしたが、そう言って頂けて嬉しいです(^^)お話はまだまだ続きますが、引き続きこの小説を宜しくお願いします(^^) (2020年2月17日 17時) (レス) id: eff15bf988 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：和音
| 作成日時：2020年2月15日 10時
