doll＊480 ページ40
相｢ぅ…ｸﾞｽｯ…俺も帰るーっ！｣
松｢…俺も。｣
二｢ｯ…俺も帰る。早くのんに薇巻いてあげたいし。｣
…何か増えた。
というか…のんちゃんはウチで暮らしてた子なのに、二宮さんが誘拐しようとしてますけど…
…なんて呑気にしてるうちに、どんどん遠ざかっていく4人の後ろ姿。
慌てて叫んだけど、時既に遅し。
皆はこっちへ振り返ることなく、暗闇に消えていった。
『皆、ちょっと待ってよーっ！
…はぁ……リュウセイ、どうしよ…皆行っちゃったんだけどｯ…』
青｢別にええんちゃう？出口向こうで合ってるし…走ってれば帰れるやろ。｣
『…あ、そうなの…』
ｽﾝｯと澄ました顔で言うリュウセイに、私も【まぁ…いっか…】って気持ちになっちゃって…
誰の背中も見えなくなった暗闇を見つめつつ、さっきまで座ってた椅子の前に戻った。
青｢あれ、帰らんの？｣
『ん？帰るよ。でも、家族はもう一人いるでしょ？
…あの子を置いていく訳にはいかないから。』
青｢…あぁ、せやな。｣
私がついさっきまで座ってた椅子の前…
開けっ放しにしてた…だいちゃんの眠る鞄の蓋を閉めて、、しっかりと留め金が留まってる事を確認してから、持ち手を掴んで立ち上がる。
少し重たいそれに…”よっこいしょ”なんて、オバサン臭い声を漏らしながら数歩進むと…
ふと、目に入ったものがあった。
『…ねぇ、リュウセイ…ジュンタってマスター居るんだよね…？
…何で一人ぼっちなんだろう、、』
だいちゃんの鞄を抱えたまま、一人取り残されたジュンタの元へ向かうと…
やっぱり気になるのは、”どうして一人なのか”と…何で椅子の上にガーベラの花束があるのか。
…ジュンタの鞄の前にしゃがみ込み、ｽｯと彼のｻﾗｻﾗで柔らかな髪を梳くと、、目元に何か光るものが見えた。
『……涙粒…？』
さっき鞄を開けた時には無かった気がして…疑問に思いながらも、そっと…長い睫毛についた涙粒を、親指の腹で拭ってあげると…
いつの間にか隣にいたリュウセイが、椅子にあった花束を両腕いっぱいに抱えて、少し神妙な面持ちで話し始めた。
青｢ジュンタのマスター…翔くんは、、亡くなったんや。
…今日……いや、もう朝やから昨日か。｣
『…えっ、、』
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 90人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
みゅー - とても面白かったです！引き込まれました！！素敵な作品ありがとうございます(*´ω｀*) (2020年4月2日 0時) (
レス) id: dcdf60e661 (このIDを非表示/違反報告)
和音(プロフ) - てぃてぃさん» コメントありがとうございます！作者自身若干の不完全燃焼に加え短編集を読みたいという方もいらっしゃいましたので、いつか庭師の双子の活躍も実現できたらいいなぁと思っております(^^)なお、予定については未定ですので、作成出来ない場合もありますm(_ _)m (2019年10月10日 20時) (レス) id: eff15bf988 (このIDを非表示/違反報告)
てぃてぃ - 続編と言うかわからないのですがダイキとトモヒロの二人揃ったときの「夢の庭師」の活躍を見たいです！ (2019年10月5日 1時) (レス) id: 918ca3f2a8 (このIDを非表示/違反報告)
和音(プロフ) - Nagihimeさん» コメントありがとうございます。お返事遅くなりすみません！そう言って頂けると、とても励みになります！現在連載中の【小さなセカイの中で。】シリーズも宜しくお願い致します(^^) (2019年10月1日 19時) (レス) id: eff15bf988 (このIDを非表示/違反報告)
Nagihime - 凄くおもしろかったです!!!!私は室担の黄色ジャス民なので、ジュンタとリュウタが出てきて嬉しかったです!!これからも応援してます!!!! (2019年9月26日 17時) (レス) id: b07ee6c15c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：和音
| 作成日時：2019年5月28日 9時
