doll＊472 ページ32
お父様は指輪にそっと触れ、台座からローザミスティカを抜き取ると…俺の右手にきゅっと握らせた。
…1cmにも満たない小さな宝石は、落としたら見つけられへん程やけど…
これが、あとの7つと合わさらなければ…ほんまのローザミスティカにはならず、ロイスも生まれへん。
…そんな、小さな物の大きな重みに…少し震え出す身体をどうにか抑え込み、お父様の顔を見上げた。
青｢っ……分かりました、お父様。｣
･･･
赤い宝石の…七色の光。
黄、紫、橙、赤、緑、青、桃。
…それは、俺たちの色。
その柔らかな彩光に口付けをすると、ｽｯと溶け込むように喉の奥に消え…
俺の中の…どこか深い場所で、ｶﾁﾘと”足りひんかった物”が嵌る音が聞こえたような気がした。
それと同時に、俺は大量の青薔薇に包み込まれ…まるで花弁が開くようにスーツは鮮やかなブルーのローブへと姿を変え…
俺の猫っ毛な黒髪は、緩くカールした白金になった。
《ロイス、お前はとても美しい。私の理想を凌駕する程に…
…それなのに、何故…そのように悲しい顔をするのだ…》
青｢お父様、私は気付いてしまったのです。…果ての無い寂しさに。
…兄弟たちの魂は確かに私の中に一つ、そしてラストピースも埋まりました。
ですが、それは私という完成品で他の6人を消してしまうという事。
…私の幸せは、いつも兄弟と共にあったのに。｣
《…そうか、私の大切な息子よ。ならば私は最期に、お前の願いを叶えよう。
どのみち、私はもう死ぬのだ…最愛の息子の願いを一つ叶えてやるくらい、神も許してくれるだろう。
…ロイス、いや…ローゼンボーイズ第6ドール、リュウセイ。
お前の心の底からの願いを…聞かせてくれ。》
青｢ｯ…私は────｣
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みゅー - とても面白かったです！引き込まれました！！素敵な作品ありがとうございます(*´ω｀*) (2020年4月2日 0時) (
レス) id: dcdf60e661 (このIDを非表示/違反報告)
和音(プロフ) - てぃてぃさん» コメントありがとうございます！作者自身若干の不完全燃焼に加え短編集を読みたいという方もいらっしゃいましたので、いつか庭師の双子の活躍も実現できたらいいなぁと思っております(^^)なお、予定については未定ですので、作成出来ない場合もありますm(_ _)m (2019年10月10日 20時) (レス) id: eff15bf988 (このIDを非表示/違反報告)
てぃてぃ - 続編と言うかわからないのですがダイキとトモヒロの二人揃ったときの「夢の庭師」の活躍を見たいです！ (2019年10月5日 1時) (レス) id: 918ca3f2a8 (このIDを非表示/違反報告)
和音(プロフ) - Nagihimeさん» コメントありがとうございます。お返事遅くなりすみません！そう言って頂けると、とても励みになります！現在連載中の【小さなセカイの中で。】シリーズも宜しくお願い致します(^^) (2019年10月1日 19時) (レス) id: eff15bf988 (このIDを非表示/違反報告)
Nagihime - 凄くおもしろかったです!!!!私は室担の黄色ジャス民なので、ジュンタとリュウタが出てきて嬉しかったです!!これからも応援してます!!!! (2019年9月26日 17時) (レス) id: b07ee6c15c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：和音
| 作成日時：2019年5月28日 9時
