薔薇男子~ﾛｰｾﾞﾝﾎﾞｰｲｽﾞ~【jw】vol.5 (ページ8)

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doll＊198 ページ8

アンネちゃんが姿見の中に入ったおかげで、ただの鏡だったそれは水面のように揺れる。

…ｎのフィールドへの扉が開かれたんだ。

『…アンネちゃん、、行こう。』

リュウセイを助けるため…

だいちゃんを助けるため…

私は、鏡の中に足を踏み入れた。

…もう二度と…のんちゃんみたいな子を生む訳にはいかないから。

『……2人はどこにいるの…？…案内して、、』

ｱﾝﾈ【ﾁｶﾁｶｯ】

･･･

アンネちゃんの案内のもと、ｎのフィールドを進む。

『っ…待って…もう少しゆっくりっ…』

ｱﾝﾈ【ﾁｶｯ…ﾁｶﾁｶｯ】

先を急ぐようにスピードを上げるアンネちゃんを追いながら、地面も天井もないフィールド内を走ってたら……いつの間にか辺りは真っ暗。

ちらほらと見える扉たちを朧気な光が包むほか、私を照らしてくれるものといえばアンネちゃんだけで、見失うまいと息を切らせながら必死になってたら…

…ふと、1つの扉の前で小さな光が動きを止めた。

『アンネちゃん…？どうしたの…？

…その、、扉は…？』

アンネちゃんの止まった扉の前に私も追いつくと、それはどこか見覚えのある…既視感のあるデザイン。

…扉に描かれた絵は【青薔薇】

…そして、それ自体も青色。

まるで、リュウセイみたい。

『…これ……もしかしてここに…リュウセイが…？』

ｱﾝﾈ【ﾁｶﾁｶｯ!】

『…っ、、開けよう。』

人工精霊の言葉が分からなくたって、契約してるドール……いや、大好きなリュウセイの気配ぐらい…私にもわかる。

…ここにリュウセイがいる。

そう、確信して……その青いドアの金色のノブをひねった。

『…リュウセイ…？』

カチャリと音を立てて開いた扉の中に入り、小さな声でリュウセイの名前を呼んだら…

(ｺﾞｫｫｫｫｯ!!)

『ぶふっ…！』

顔面を何かが直撃した。

でも、痛くない。

柔らかくて、いい香りの青い物体。

…そう、リュウセイの青薔薇の花弁だった。