薔薇男子~ﾛｰｾﾞﾝﾎﾞｰｲｽﾞ~【jw】vol.5 (ページ44)

今日:1 hit、昨日:2 hit、合計:35,382 hit

doll＊234 ページ44

＊黄side＊

昨日…タカヒロをマスターの家らしき所の扉に押し込んで、ｎのフィールドを出た俺は……誰もおらへん【あの部屋】に帰ってきてもうた。

…大きな病院の11階。

個室のそこは、他の部屋よりも少し広くて…翔が言うには【父親が勝手に手配した特別な部屋】らしい。

…でも今は…その広さが翔がおらん事をよりリアルなものに感じさせ、ぐっと目頭が熱くなるような気がした。

…そう、気がしただけ。

黄｢…はぁ、、｣

シンと静まり返った真っ白な部屋の、真っ白なベッドの上…

寝転んだ俺の隣にあの温もりはなくて、ただひたすらに…天井を見て過ごした。

黄｢…っ、｣

…それでも頭の中では、翔への思いとリュウタへの憎しみが混ざり合って…どうにかなりそうで…

一度目を閉じて深呼吸してから体を起こし、ベッドから降りた。

…リュウタはきっと、こんな俺を見て笑ろてるんやろな。

アイツらの目的は…俺達ローゼンボーイズのボディを破壊する事、、

つまり翔を連れ去る事には多分、何の意味もない。

黄｢…っ、、｣

…拳を強く握り締めれば、あの時リュウタに言われた【愛と絆に縛られて可哀想】って言葉が…輪唱のように頭の中に響き渡る。

愛…絆……どっちも俺には無縁な物やった。

…生きる為に必要あらへん…必要になんかなる訳ない。

そう思ってた。

…アイツに出会うまでは。

黄｢…ははっ、上等や…

……可哀想な奴になったるわ。｣

愛に…絆に…縛られた……情けないけど認めてやる。

翔をを取り戻す為なら、何でもしてやる。

…アイツは俺のマスターや。

黄｢…ウィル、エント……行くで。ｎのフィールドや。｣

ｳｨﾙ＋ｴﾝﾄ【ﾁｶﾁｶｯ!】

窓を開け放ち、背中の翼を大きく広げて外へと飛び立った。

────────────────────
評価お願いします！