4-1＊怪我 ページ13
朝。
自分の席に座る。
「A」
恐る恐る隣を見た。
「それ…」
そこには驚いたような表情の普。
隣の席だしバレるよね…。
いつも私は怪我だらけだけど、
今日は怪我の箇所も増え、隠れきらない程大きい痣もあったりと特に酷かった。
自分でも酷い自覚はあるものの、学校を休むわけにもいかない。
私は明るく笑う。
「あはは、別に心配するほどじゃ、」
「強がらないで。…誰にやられてるの？」
私の強がりをすぐ見抜くと、両手をぎゅっと握ってくる。
今まで私達が触れなかったお互いの話。
まずいなあ。
「じゃあ、普は誰にやられてるの？」
そう聞くと、普は目を見開いた。
「っ…そ、れは……、」
目を逸らし、明らかに動揺する普。
私はせめて表情だけはと微笑んでみせる。
「人間って、脆いんだよ。簡単に死んじゃう。」
「………うん。」
「それと同じで、この関係だって簡単に、…壊れちゃうんだよね。」
何だか言ってる私が悲しくなってしまい、最後の方は声が掠れていたかもしれない。
普はそれを聞くとばっと俯いていた顔を上げ、酷い顔でじっと私を見つめてきた。
泣き出す寸前の子供みたいな顔で。
「…なーんてね！
……いつか、ちゃんと教えてね。普のこと。」
「…………う、ん。」
そうやって茶化すけど流石に暗い顔のまま。
なんであんな話をしてしまったのだろうか。
今日は何だかおかしいな、私。
「…そんな顔しないでよ！
生憎私は死ぬ予定なんて＿＿＿＿、ｯ」
「ねえ」
言葉が出てこない。
「俺、そんなに頼りない…？」
普は泣いていた。
いつもの私みたいに。
私の前では殆ど泣いたりしないのに。
「……そんなわけない。」
普の涙を指で拭う。
「普がいなかったら今頃死んでたかもしれない。」
普はそれを聞くと驚いたような、嬉しそうな、何だか複雑な表情をする。
「…頼ってばっかじゃ、迷惑かけてばっかじゃ私が嫌なの。」
私はぎこちなく笑った。
「だから、お互いがお互いのことを知るまで、ずっと一緒で、親友でいよう？」
普は泣きながら口を開く。
でも何も言わず、そのまま口を閉じた。
そしてゆっくりと頷き、
教室の隅で2人、小指を絡め合った。
今日、1968年7月22日月曜日。
それは1年後、彼が月の石を渡した日。
そして、
私が＿＿＿＿＿＿＿
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ハヒフ - そこでやめないでくれぇﾋﾟｴﾝ (2022年2月21日 21時) (
レス) @page19 id: ee79ae4f81 (このIDを非表示/違反報告)
刃華禰 - 更新待ってます！！ (2020年3月25日 14時) (レス) id: 022f9f82f7 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきもち。(プロフ) - そうなんですね！ありがとうございました！ (2020年3月16日 10時) (レス) id: 9402601da5 (このIDを非表示/違反報告)
ニノミ(プロフ) - ゆきもち。さん» すみません…わからないです…。本作品のcssは他の作者さんが配布していたものを使用しているのですが、その作者さんがいつの間に占ツクを退会されたのかアカウントが消されていて配布も行っていないようです。お役に立たずごめんなさい…。 (2020年3月16日 10時) (レス) id: 913fcb9d41 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきもち。(プロフ) - cssのパスってなんですか？？ (2020年3月16日 0時) (レス) id: 9402601da5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ニノミ | 作成日時：2020年2月18日 20時
