俺の彼女【nino】 (ページ1)

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-12月某日の彼女(1)- nino ページ1

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「ねね、ん」

「んー？」

「ねってば！」

「なによ？」

12月、多忙な俺の久しぶりな休日。

昼前に起きて、作ってもらった飯食って、ソファーに寝転がってゲームしてたら、食器を洗い終わったうちのお嬢さんが俺のすぐそばに来てきゃんきゃん言ってますよ。

「ん！」

「んー？」

「ちょっと！！」

「いや、今良いとこだから。」

「もー！！！」

画面見てるから顔見えないけど、ふくれっつらしてるのが想像つく。

そして何をしてほしいのかもね？

セーブポイントまできて、ようやく顔を向ける。

「なによ？」

「ん！」

「ん？」

「うー！」

可愛く唇をとがらせて、キスしろってせがむのはいつもの事。

ご要望通りに軽く唇を合わせる。

「んふふ(笑)」

今までの彼女だと、この後「ゲームばっかりしてないで私をかまってよ」的なからみが始まるからめんどくさいんですけど、ここから違うのがうちのお嬢さん。

「もっかい！」

足りなかったようでお嬢さんからもっかい俺にキス。

また「んふふ」って笑ってる。

お嬢さんの用事はそれだけで、その後どっかいっちゃうんですよ(笑)

今日は今から洗濯物をただんでしまうみたいですよ。

しかもイヤホンで音楽聞きながら。

別に俺もゲームしてるし、特に会話するわけじゃないから構わないんですけど・・・

なんでしょう、この複雑な感情・・・まぁいいんですけどね。

楽しそうにノリノリで洗濯物たたみながらも、時々こちらに視線を向けてくるのをわかってるので。

でもそれはかまってよ的な視線じゃなくて、優しくあったかいもので。

気づくと口元がニヤけるわ(笑)

「ふふ、なんか笑ってる！」

片耳だけイヤホンを外したお嬢さんが近くにきてゲーム画面を覗き込むけど、いつも通りの画面で首を傾げてる。

「俺もへたになったなーってね？」

「死んじゃったの？」

「そ。」

「あらま。でもめげずにやるんだからすごいよ(笑)」

それでまた「んふふ」って笑うと、俺の頬にキスして洗濯物の続きを始めた。

そんなお嬢さんを見て、俺も笑う。

イヤホンをつけなおしたお嬢さんには俺の笑い声は届かなかったみたいで、こっちを見なかったけど、それでいい。

絶対俺の今の笑いはヤバい。誰にも見せたことないような顔をしてる自覚がある。

「やばいなー(笑)」

やばいけど、悪くない。

むしろ心地よくてヤバいわ(笑)

これが最近の俺の休日。

と、俺の彼女。