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｢良いにおいがする！｣
歩いていると、雅紀がクイクイと腕を引っ張った。
鼻腔をくすぐる香ばしいにおい。フワッとかおるバターの濃厚さ。
｢こんなところに…？｣
そこには小さいけどお洒落な雰囲気のパン屋さんがあった。
｢お昼、ここで買おうか？｣
｢うん！｣
中に入ると若いお兄さんが一人。
｢おっ！｣
まるで客が来たのにびっくりしているみたいだ。
｢いらっしゃ〜い｣
笑った顔はふにゃりと優しそうだった。
普段人見知りするタイプの雅紀もわ〜っと笑顔になる。
｢これ焼きたてな。旨いぞ？｣
トレーには形の良いこんがり焼けたクロワッサンがあった。
｢美味しそうですね。ココ、最近出来たんですか？｣
｢そー。全然客来なくて。参っちゃう｣
店長さんはそう唇を尖らすが、どことなく楽観的だ。
｢お店の名前は？｣
｢名前？｣
｢そう、看板なかった気が…｣
｢あるよ！ほら｣
指差す先には木で作られたボードに"パン屋"とアーティスティックに書かれていた。
｢パン屋って……チラシは？｣
｢やってねぇ…そっかぁ……お兄さん頭いいね｣
なんて言うか、うん。定期的に買いに来てあげようと思った。
結局、雅紀と俺は焼きたてのクロワッサンを買った。
そして雅紀は店長さんと随分気が合うらしく懐いていた。
｢店長さんなんておなまえ？｣
｢んぉー？俺ぇ？おーちゃん｣
｢おーちゃん！！｣
二人はんふふと笑い合う。
｢おーちゃんのパン屋さん、また来るね｣
雅紀がそう言うと
｢あーその店名いいね。いいよ凄くいい。｣
と店長さんは看板を外していた。
きっとすぐに書き直そうと思ったんだろう。
でもその間、看板無くなっちゃうじゃん。
少し抜けてる所が面白かった。
．
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cherry(プロフ) - ルパンさん» 嬉しいお言葉、ありがとうございます！！少しでも、伝わるものがあったと思うと嬉しいです(^^)ルパンさんのお話も、いつも楽しく読ませて頂いております(^^)今後ともよろしくお願いします！ (2016年4月10日 20時) (
レス) id: f2132e69e9 (このIDを非表示/違反報告)
ルパン(プロフ) - すごくすごく良いお話！ちょっとウルっとしながら、でもほっこりしながら読み終えました。温かい気持ちになれました。ありがとうございます。 (2016年4月9日 11時) (レス) id: 422ba07ec3 (このIDを非表示/違反報告)
cherry(プロフ) - あすかさん» えっと……申し訳ないのですが他の方と間違えていらっしゃいませんか…？私には王様ゲームが何のことか分からなくて…(;_;)すみません(;_;) (2016年3月28日 20時) (レス) id: f2132e69e9 (このIDを非表示/違反報告)
cherry(プロフ) - あかさん» コメントありがとうございました！5piecesの続編を書かせていただきます。良かったらそちらのリクエストもしてみて下さいね(^^)今後も宜しくお願いします<(_ _*)> (2016年3月28日 18時) (レス) id: f2132e69e9 (このIDを非表示/違反報告)
cherry(プロフ) - ももさん» コメントありがとうございました！5piecesの続編を書くことにしました。家族設定もいつか書いてみたいなと思っています。今後も応援宜しくお願いします<(_ _*)> (2016年3月28日 18時) (レス) id: f2132e69e9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：cherry
| 作成日時：2016年3月8日 6時
