イケメン一家の末っ子ちゃん２～ARS～ (ページ40)

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＊72＊＜和Side＞ページ40

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＜和Side＞

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翔「和はよくケンカしてたよな笑。でもなんだかんだ家の部屋割りも、出かける時も、いつもAの隣を巡ってみんな揉めてたな笑」

和「ケンカは…愛情の裏返しってやつでしょうね」

翔にぃはハハッと笑って、和らしいな、と言った。

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翔「Aはさ、父さんと母さんの待ち望んだ女の子だろ？
俺らにとっても、可愛くて可愛くて仕方ない大事な妹じゃん」

和「うん…」

翔「だからさ、父さん達が家を出てAが残るって言った時は嬉しさ半分、不安も大きかったんだよ」

あーあの頃ね…

みんながどんな事考えてたかなんてイチイチ話さないから、今は黙って翔にぃの話を聞くことにしよう。

翔にぃがAを眺めてふんわり笑いながら話し始めた。

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翔「俺らがしっかりしてないと父さん達も不安だろ？
もしもAに何かあったら親も近くに居ないのにどうするんだーとかさ、考えちゃって…。
ほら、智くんはいつもあんな感じだし…まぁたまにしっかりしてる時もあるか笑。
でもさ、なんか俺が守らなきゃーって思ってたわけ。

今思えば過保護すぎたと思ったりもするんだけど、どうしようもないよな…だってAが心配なんだから。
まじで大事だからさ。
正直俺さ、Aは中学あたりでグレると思ってたんだけど…笑、ほんとに可愛くて可愛くて優しくて…可愛い子になったよな…」

可愛くてって…同じこと3回も言ってますけどね笑。

いやむしろ、３回でも少ないか。

和「翔にぃも…いろいろ考えてたんですね笑」

翔「なんだよ、意外？苦笑」

和「別に？」

それから少し沈黙。

でもその間は気まずいとかではなく、むしろ心地いいくらいだ、なんて思った。

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翔「じゃ、そろそろ行きますかね！和、みんな呼んできてくれ」

和「はいはい～」

俺はベンチから立ち上がった。

あ、そーだ。

和「翔にぃ…」

翔「ん？どした？」

和「さっきはごめん」

そう言うと、何のこと？と笑う翔にぃ…分かってるくせに。

和「ん、なんでもない…」

呼びに行こうと歩き出すと、後ろから聞こえた翔にぃの一言。

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翔「和、お前かわいいな！」

俺の全てを見透かしたような一言は、あー翔にぃはやっぱ兄貴なんだなって。

その言葉の奥に短気だけど本気で怒らない翔にぃの心の広さが感じられた…悔しいですけどね。

和「気持ちわりーわ笑」

と、言いつつ笑顔になっている俺。

さ、Aたち呼んでくるか！

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